職場の同僚や上司~目的を理解し、客観的なコミュニケーションを

野村「すべてのコミュニケーションには目的があります。ママ友同士であれば、親同士の協力で子ども同士が仲良く楽しく過ごせるようにという目的ですし、先生であれば、子どもの学校での様子を知り学校生活を円滑にするという目的があります。

職場でのコミュニケーションの目的は、最もはっきりしています。それは『仕事を円滑に進めるため』です。これを勘違いしてしまうと、職場での人間関係に悩み、それが原因で転職するというようなことが起こり得ます。

仕事上のコミュニケーションは客観的でなくてはいけません。『仲の良い同僚と楽しく仕事がしたい』『上司や部下から好かれたい』というような目的はすべて主観的です。

職場は仕事をする場所であり、誰かと仲良くなるための場ではありません。

会社側も、生産性を上げるために組織のコミュニケーションを円滑にしてほしいとは考えますが、あなたと誰かが個人的に仲良くなってほしいとは思っていません。むしろそのような人間関係は仕事にとってデメリットになることのほうが多いからです。

しかしその分、誰もが気持ちよく仕事をするためのコミュニケーションのルールが必要で、そのルールが守れない人がいれば、改善してもらい、さらに良い仕事をしてもらうのは当然のことです。

もし職場のコミュニケーションで何か辛いことがあれば、会社の人事など相談できる窓口がありますので、相談して解決しましょう」

何らかの理由で「口下手」と自覚しているママは、ぜひ今回紹介された中から、自分の原因に合った対策を行い、改善へと進めていきましょう。

【取材協力】野村 絵理奈さん

株式会社KEE'S 代表取締役社長
兵庫県出身 同志社大学法学部卒。NHK松山放送局キャスター、気象予報士を経て2005年KEE'S設立。著書に『たった5秒で相手の心をつかむひと言の力』(大和書房)、『口下手でもたった90分で人生が変わり出す話し方』(講談社)、『革命的話し方メソッド』(ポプラ社)等など多数。

株式会社KEE'S
現役アナウンサー(約50名)が講師として、放送局で培った技術と経験を元に、スピーチのマンツーマン指導、企業研修を行っている。企業トップなどエグゼクティブスピーチトレーニングをはじめ、企業約600社、5万人以上が受講。