「幼稚園でどんな遊びをしてきたの?」と聞いても、ただ「遊んだ」の返答。絵本の感想を聞いても同様…親の望んでいる答えがスラスラと返ってこないことがあります。

でも、子どは頭にインプットされていることを上手にアウトプットできないだけなのです。そんな幾つかの例を『1人でできる子になる 「テキトー母さん流」 子育てのコツ』の著者の立石美津子がお話します。

保育参観に行ったら手を挙げずにボーッとしている、指名されても無言、文字を書かせてもお友達のように上手に書けない…。

つい反応の良い子と比べてしまい、なんだか不安になってきませんか?でも、安心してください。

頭で理解していることを、すべて文字や言葉で表現できる訳ではない

大人だってこんなことありせんか?

  • 講演会を聞きに行って感動した。けれども、ママ友に内容を説明しようとしてもうまく説明できない
  • 読み応えのある本を読んだ。でも、感想を上手に周りの人に伝えられない
  • 手紙を書くとき、うまく文章をまとめられない。書き終わって読み返してみたら、自分でも何が言いたいのかさっぱりわからない

人間は頭で理解していることを、すべて文字や言葉に出して表現できる訳ではありません。

あれこれ話したいことがたくさんあっても、それを正確に他人に伝えるためには、読者側に立った“書く訓練”“話す練習”が必要になってきます。

でも、この世に生まれてまだ3~4年の子どもは話すための材料である語彙を獲得している最中、“録音の時代”ですから、相手にうまく伝えられないのは当たり前なのです。

再生させようと「子どもの頭に入っていることを全部引き出そう」と焦ることはありません。絵本の感想を上手に言えなくても、先生の質問にサッと答えられなくても、お手紙を書けなくても、頭の中には沢山のことが入っています。

やらない方がよいこと

子どもが大人に何かを訴えるとき「えっとね…、うんとね…」の前置きが入ることってありませんか?それは頭の中には伝えたいことがたくさん詰まっていても、まだ自分の気持を表す言葉がサッと出てこず、一生懸命、頭の中で翻訳中なのです。

こんなとき「きちんとママにわかるように話しなさい!」と叱ってしまうと、ますます焦ります。話をすることに対して緊張し、ますます「「えっとね…、うんとね…」となってしまいます。

こんなときは、我が子の言葉が意味不明でも、わかったように次のように対応してあげましょう。魔法の言葉、神対応はこれです。

「ふうん…そうなの…それで…わあ、そうなんだ…」

これで子どもは「ママにわかってもらえている」「聞いてもらっている」と感じ、ドンドンお喋りするようになりますよ。