ほんの数年前、生まれたばかりの我が子を胸に抱いたとき、「生まれてきてくれてありがとう」「元気でいてくれさえすればそれで十分、幸せ」と思っていたのに…周りの子と比べて“ないものねだり”の旅に出かけてしまう親がいます。
『1人でできる子になる 「テキトー母さん流」 子育てのコツ』の著者の立石美津子がお話します。
育児って誰でもお母さんになれば普通にやっていることですが、ストレスがかかります。
ママ友との付き合いだったり、子どもの躾だったり。更に「子どもの出来栄え=自分の母親としての評価」に直結してしまい、他の子や兄弟姉妹、自分が子どもだった頃などと比べる“比べる病”にかかってしまう人もたくさんいます。
食が細く、偏食の子どもに悩むママ…
少食の我が子、しかも偏食で好き嫌いが多い子。手を変え品を変え工夫して手間暇かけで作ったキャラ弁も残してきます。
肉類を食べてくれないので、不足がちな蛋白質を補おうと豆腐や納豆を使った料理を作っていました。
栄養相談に行くと栄養士から「タンパク質は大豆や納豆などの植物性たんぱくだけでなく肉や卵や乳などの動物性たんぱくも与えることも大切です」と言われてしまいました。
さらにカリフラワーしか食べないことを伝えると“野菜は白菜、キャベツなどの淡色野菜だけではなく、人参、ほうれん草、ピーマンなどの緑黄色野菜も食べさせてください”とアドバイスを受けました。
“色んなものからバランスよく栄養を取り入れる“という栄養士の言葉は正論なのですが、好き嫌いが多く、食の細いわが子を前にして「これ以上、頑張れない」と苦しく思うママでした。
筆者の亡き父は昭和9年生に生まれた昭和一桁世代でした。戦後直後に食べ盛りの頃に中学生1年生でした。言わゆる“終戦中一”と言われる年齢です。食べる物も事欠く時代。痩せている子がほとんどで肥満に悩む子どもなどいませんでした。
僅かなおかずでご飯を3~4杯も食べて過ごしたと聞きます。その食卓には動物性たんぱく、植物性たんぱく、淡色野菜、緑黄色野菜など栄養のバランスを考えた食事は並んでいません。でも、今、皆さんとても元気です。
その後、日本は経済成長し豊かになりました。今は飽食の時代、太り過ぎ生活習慣病に悩む人も大変多いです。