生まれたばっかりの子どもは、何時間見ていても愛くるしい。いつまでも側にいたいというのが、ママの本望ではないでしょうか。
ただ、そんな子どもたちもいつかは自立していく。子どものためだと思っても、ちょっと寂しくなってきますよね。
そんな自立のタイミングとは一体、いつになるのでしょう。一般的に「イヤイヤ期」が始まる2歳頃かと認識されていますが、この方は、別の考え方です。
これまで4000人以上の赤ちゃんを取り上げた、日本最高齢の現役助産師・坂本フジヱさんです。お母さんたちへの厳しくあたたかいアドバイス集『大丈夫やで 〜ばあちゃん助産師(せんせい)のお産と育児のはなし〜』が、10万部のベストセラーとなった名物助産師。
「ばあちゃんせんせい」とも呼ばれる坂本さんは、和歌山県の山あいにある小さな助産所で働き、お母さんたちの不安などに関西弁で寄り添ってきました。
そんな坂本さんは、子どもたちの逞しい部分をご自身の言葉で語ってくれています。というのも、1歳にもなると、子どものなかで「自立のきっかけ」が芽生えてくるのです。
「自分はお母さんの役に立っている」という認識が、子どもの“居場所”や“本物の幸せ”をつくると、坂本さんは同書で語ります。
子どもは産まれて4カ月もすると、既に「お母さんと喜びを共有したい」と思うようになるそうです。それまでは自分にかまって欲しいオーラ全開だったのに、お母さんと一緒に何かしたいと思うようになるのです。なんて逞しい。
これはどうやら「脳の構造」が影響しているようです。
「脳にとって、幸せは二種類あるんです。欲しいものを手に入れたときは、脳内物質のドーパミンが活発になります。何かいいことをしてジワーッと広がる充実感があると、セロトニンが活発になるんです。セロトニンが出る幸せが、情緒の安定を促すんです」
生まれたばかりの子どもはお母さんからの愛情を欲していますが、少し時間が経つと、今度は「何かいいことをしたい」と思うようになるんですね。両親からあやしてもらっているだけでは、100%の幸せを得るのではないのです。
ですので、坂本さんは「1歳を過ぎたら、年齢にあったその子の仕事を与えること」「人間同士の共生を目指すこと」が大切だと考えます。
自分の子どもが可愛くて仕方の無いお母さんは多いかと思いますが、愛情を与えるだけでなく、お子さんに役割を与えることで、その子たちは居場所と本物の幸せを手に入れることができるのです。
このあたりのバランスは、お母さんがハンドリングすると良いでしょう。
さて、一方のお父さんは何をすべきなのでしょう。