子どもの健康のため、食事の栄養バランスや食材にこだわるママは多いもの。では、子どもの味覚については意識していますか?
実はいま、子どもの3割が味覚を正しく認識できないという研究結果が発表されるなど、味覚オンチになる子どもが増えています。
「子どもの味覚を育てるということは、いろいろな味のおいしさを知ること」。そう語るのは、『0~5歳 子どもの味覚の育て方』の著者で、食育・卓食スペシャリストのとけいじ千絵先生。
子どもの味の学習をサポートするために、親が気をつけたいポイントを伺いました。
1:食事中に関係がない話題は控えるべし
子どもが「おいしい!」の笑顔を見せてくれたら、ママもハッピーですよね。
おいしさは、味覚以外の要素によっても左右されるそうです。例えば、眠いときや不快なときにはおいしさを感じられない、「早く食べて」と急がされると、味を感じるゆとりがなくなるといいます。
子どもの状態や食べる環境は、おいしさにもつながっているのです。
みなさんは、食事中に音楽やテレビを流していませんか? 『0~5歳 子どもの味覚の育て方』では、味覚を妨害するものとして、音や余計な情報が挙げられています。
——食事中は集中させる環境を作ることが大切だと書かれていますが、家族で会話をするのも控えるべきなのでしょうか。例えば「美味しい?」「これは北海道のジャガイモなのよ」といった問いかけもしない方がよいでしょうか。
とけいじ千絵先生(以下、とけいじ):「家族で楽しく会話をすること自体は、楽しかった記憶と食事が結びつき、食事に対する肯定的な記憶が定着するのでとてもいいことです。
しかし食事と関係がない会話、例えば戦隊モノのキャラクターの話などをダラダラとすると、子どもは食事に対する集中力を欠いてしまいます。
味や食材、その他食事に関する語りかけをすることは、食事に対して興味が湧くことに繋がり、それは味覚を育てるために非常に有益です。食事中も安心してお料理の話をしてくださいね。」
2:渋味のあるお茶は控えるべし
子どもが味の経験を積んでいる時に、食材そのものの味をわからなくするものはNG。子どもが欲しがっても、食事中は甘いジュースや炭酸飲料は控えるべきだといいます。
——子どもの食事に適した飲み物は、水やお茶、牛乳でしょうか。
とけいじ:「食事に最適な飲み物はお水です。お茶でもいいのですが、お茶のカテキンなどに代表される「渋味」は一時的に口腔内の粘膜を収縮させ味覚を感じにくくしてしまうため、麦茶など渋味のないお茶がいいでしょう。
また牛乳でもかまいませんが、食の細い子の場合、牛乳を飲んでお腹がいっぱいになってしまい、食事がはいらなくなってしまう場合があります。なお鉄分はカルシウムと一緒に摂ると吸収率が下がってしまいますので、その点も注意が必要です。」