子どもが嘘をついているとわかった時、親はとてもショックを受けますね。嘘をつくのはよくないと教えることはとても大切。でも、親の接し方によっては、子どもがますます上手に嘘をつくようになってしまいます。
今日は、『5歳からでも間に合う お金をかけずにわが子をバイリンガルにする方法』(彩図社)の著者で、日本・欧米いいとこどり育児を提唱する平川裕貴が、親のNGな接し方と対処法についてお話します。
どちらが嘘つき?ルールに厳格な学校と、おおらかな学校の生徒
カナダの心理学者VictoriaTalwar博士がある面白い実験をしています。
博士は、西アフリカのルールに厳しい学校と緩い学校の子ども達に、“ピーピングゲーム(のぞきゲーム)”という実験を行い、子ども達の嘘についてリサーチしました。
このゲームは、子ども達に、聞こえてくる音が何の音かを、見ないで推測させると言うゲームです。
大人が立ち会いの元、いくつかの音を聞かせて答えさせた後、最後に、おもちゃのフットボールで、まったく想像できないような音をつくり、大人が少しの間部屋を出て子ども達だけにしました。 そして、戻ってから子ども達にその音が何だと思うか、また答えを知るために覗かなかったかと尋ねました。
その結果、ルールに緩い学校の生徒も何人かは嘘をつきましたが、厳格な学校の子ども達は、非常に素早く嘘をつき、しかもその嘘は非常に効果的だったと言います。
この結果は、西洋の子ども達の結果とほぼ同じ水準だったそうです。
子どもはなぜ嘘をつく?
さて、子どもはなぜ嘘をつくのでしょうか?
この質問は、ママ自身にも投げかけてください。
人は必ず嘘をつきます。善良な人は、相手を守ったり、傷つけないために、善意で嘘をつくことが多いと思います。
でも、時として、責任を逃れたり、自分を守るために嘘をつくことがありませんか?
それは、「正直に言えば厳しく責められるかもしれない」という恐怖から、つい嘘を言ってしまうのです。
子どもも同じです。子どもの場合は、身体の大きな大人から責められることは、大きな恐怖です。
もし、言葉だけでなく体罰も与えられるとしたら、もっと大きな恐怖を感じることになるでしょう。子どもは、正直に言うことは安全ではないと考え、自分の身を守るために嘘をつくのです。