育休中に家事の基礎を固めれば、育休明けの大きな利子に!

——最後に、育休中の人や、これから職場復帰する人へアドバイスやメッセージをお願いします。

尾崎:産後、体はボロボロ。ホルモンバランスもまだ整っていない。赤ちゃんのお世話は24時間体制。そんな中、家事を完璧にこなそうとしなくても大丈夫。

たとえ、今の暮らしが理想とかけ離れていても、理想を実現するのは赤ちゃんの成長をもう少し待っても遅くありません。「これさえできれば」というボーダーラインを決めて、それ以上する必要はないのです。

とはいえ、家事の基礎を確立できるのも、この時期。早い時期に家事の技術を磨くことができれば、さらに時間がなくなる育休明けに、大きな利子をつけて戻ってきます。一度獲得した技術は、必ず未来の自分を助けてくれるでしょう。

今なにをするのが大切なのか考えよう

尾崎:まず、赤ちゃんとご自身の健康を第一に考えましょう。まだ授乳中なら、おっぱいを作る過程で、体は知らないうちに消耗します。赤ちゃんもまだまだ夜中に目を覚まして起きてきます。まず、しっかりと自分の休息をとりましょう。

そして、次に優先するのが、「やらなければならないこと」。自分の「やりたいこと」は、少しだけ先のお楽しみに。「やりたいこと」はできなくても、「やらなければならないこと」ができているほうが、生活の満足度は向上します。

その上で、赤ちゃんとの時間、自分一人の時間、家族との時間、どれを優先するか考えてみましょう。

育児は永遠ではない

尾崎:育休明けまでがしっかりと赤ちゃんと向き合える時期。赤ちゃんとの蜜月を、思う存分楽しみましょう。

一日中赤ちゃんのお世話をしていたら、自分の時間が欲しいと思うこともあるでしょう。でも、一人の時間は、成長に伴いだんだん取れるようになるもの。大変なときは、赤ちゃんのお世話が永遠に続くと思いがちですが、成長とともに楽になります。今が一番大変なときなのです。そして、赤ちゃんとの今も、この瞬間しか味わうことができません。

「今」を大切にする働き方にシフト

尾崎:育休中は、社会から置き去りにされているような気になりがち。それまで、会社で活躍していた人ほど、そう感じるはず。でも、一番子どもに手がかかるのは、子どもが幼いときで、子どもはすぐに成長します。

復職すると、仕事と家事、育児の両立で、日々忙しくなるでしょう。子どもは「今」を生きています。あなたは、子どもと一緒に「今」を楽しめるような、生き方をしていますか?今の働き方は、あなたの望んでいる生き方ですか?

もし、働く時間が長すぎて、暮らしがおざなりになっているなら、別の働き方を考えてみてもいいかもしれません。あなたの心地よいライフワークバランスは、誰かと同じではありません。

ライター。音楽系の出版社で6年間勤務した後、かねてからの目標であったアメリカでの短期留学を果たし、現地でフリーペーパー制作のボランティアを行う。帰国後は、実用書を扱う出版社にて女性エッセイや心理本などの編集を担当。その後、ライターとしての活動を始める。北欧のヴィンテージ食器が好き。

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