注目3:最終日は妻夫木聡が行定監督との過去作を語り、高良健吾が自らの企画で登壇
熊本県立劇場に再び会場を移して行われる映画祭最終日も、午前9時30分に「特集 妻夫木聡」の第2弾からスタート。
ここでは、行定勲監督が妻夫木聡を主演に迎えて三島由紀夫の同名小説を映画化した『春の雪』(05)を上映し、その後ふたりが登壇。
台湾の撮影の名手リー・ピンビンによる美しい映像にも魅せられる本作をスクリーンで観られるだけでも貴重だが、監督と主演俳優が10年の時を経たいま、何を話すのかがやっぱり気になる。
妻夫木聡ファンはもちろん、映画ファンや三島由紀夫の愛読者にとってもかけがえのない時間になるはずだ。
そして13時からは、『うつくしいひと』『うつくしいひと サバ?』の主演俳優で熊本出身の高良健吾が企画から考えた「高良健吾企画『東京物語』」を実施。
『東京物語』は周知の通り、名匠・小津安二郎が1953年に発表した日本映画の名作だが、高良はなぜこの作品を熊本で上映しようと思ったのか?
上映後のトークでは、高良はもちろん、彼が声をかけたシークレットゲストも登壇。そこで高良健吾は何を語るのか? シークレットゲストと一緒に熊本の人たちに何を届けようとしているのか?
これも聞き逃すわけにはいかない。
さらにこの日は、16時15分から『百円の恋』(14)の脚本で注目を集めた足立紳の監督デビュー作『14の夜』(16)を上映し、18時40分からはクロージング作品として『うつくしいひと サバ?』を再び上映。ゲストの多くも再結集する。
また、7日(金)と8日(土)の夜10時からは、熊本と菊池でそれぞれ昨年も好評だった「真夜中の映画祭」も開催。
行定監督や映画評論家のミルクマン斎藤、行定監督の『ジムノペディに乱れる』に出演した芦那すみれと岡村いずみ、新作『亜人』の公開を控えている本広克行監督らがオフレコで語り合うディ―プな映画談義は癖になるほど面白いから、こちらも期待して欲しい。
すでに前売り券が完売しているプログラムもあるが、当日券も発売されるというから、出かけてみてはいかがだろうか。
遠方の人もLCCなどを使えば安く熊本に行けるし、行く価値のある、行けば間違いなく大きな物がもらえる映画祭なのだ。
くまもと復興映画祭
4月7日(金)~9日(日)
@熊本城二の丸広場/菊池市文化会館・菊池松囃子能場/熊本県立劇場