野沢雅子、銀河万丈、古川登志夫ら声優界のレジェンドから、神谷浩史、緑川光、中井和哉、沢城みゆき、島﨑信長などアニメ・ゲームでおなじみの人気声優が多数所属している「青二プロダクション」。
青二プロダクションの創立50年とTOKYO MX開局25周年を記念した公演Symphonic Drama 「火の鳥 ~黎明編~」の無観客公演が2月29日、3月1日、舞浜アンフィシアターにて開催された。
青二プロダクション所属の声優60名以上が参加し、手塚治虫の名作『火の鳥』を朗読するという事で、大きな注目を集めチケットが即ソールドアウトしていた本公演は、新型コロナウィルス感染拡大防止の為<無観客収録>という形で行われた。
今回、「menew」では特別に公演の様子を取材したレポートを掲載する。
円形のステージに響き渡る声たち 新感覚の朗読劇に引き込まれる
朗読するのは『火の鳥』の「黎明編」。手塚治虫氏が漫画家として活動をはじめた初期から晩年まで描き続けていた『火の鳥』の始まりとなる物語。
ステージが円形にデザインされ、せり上がり装置など凝った設計で知られる舞浜アンフィシアター。開演前の劇場は静寂に包まれ、これからどの様な『火の鳥』が始まるのか期待が高まる。
揃いの白い衣装に身を包んだ男女30名以上のキャストが登場すると、「命とは何だ?」と声を合わせる「群読」。力強い語りかけは本公演中にしばしば登場するのだが、その度に迫力に胸がふるえる。
語りの古川登志夫が登場し【序曲 生と死】と読み上げると、いよいよ物語が始まっていく。
中央せり上がりから登場し、「生き血を飲むと不老不死の体になれる」という伝説を持つ“火の鳥”を狙うウラジ(置鮎龍太郎)。火の鳥は光の演出で表現され、その姿が見えずとも火の鳥がどれだけ強く、凄い存在なのかを観客に知らしめる。
力の入った声優陣の熱演と、音と光の演出。『Symphonic Drama』が通常の朗読劇とは異なる、新しい表現方法の舞台である事が開始5分で実感出来るのである。