Symphonic Drama 「火の鳥 ~黎明編~」 ⓒ青二プロダクション

鬼気迫る演技に華麗な歌唱 声の表現力に圧倒

<第一楽章 クマソ>では、本作を牽引していく存在であるナギ(松野太紀)、ヒナク(皆口裕子)、グズリ(緑川光)、シビキ(野沢雅子)らが暮らす「クマソ」という国の話が展開していく。

平和に暮らしていたクマソの人々、しかしここは“日本”が誕生する前の混沌とした世界であり、領土争いが絶えない。ある日、猿田彦(銀河万丈)率いる「ヤマタイ」の軍が攻めてきて「クマソ」の人々は追い詰められていく。村の長老シビキは毅然とした態度で村人達を守ろうとするのだが……。

Symphonic Drama 「火の鳥 ~黎明編~」 ⓒ青二プロダクション

野沢雅子による鬼気迫る演技、会場に響く断末魔の叫びは息を飲む迫力。Blu-rayでもその熱演に鳥肌がたつはずだ。

Symphonic Drama 「火の鳥 ~黎明編~」 ⓒ青二プロダクション

<第二楽章 ヤマタイ>での見所は、猿田彦に連れられヤマタイで暮らすことになったイザナギの成長、女王ヒミコと弟スサノオの関係、ヒミコ周辺の人間関係だ。

Symphonic Drama 「火の鳥 ~黎明編~」 ⓒ青二プロダクション

圧倒的な権力を持ち、国民から崇められるヒミコ(小山茉美)であるが、弟であり政治をサポートしているスサノオ(神谷浩史)は姉の考えに疑問を抱いている。

日々の葛藤の中、奴隷であるアグリ(藤井ゆきよ)に癒しを求めるのだが、スサノオに想いを寄せるサトメ(柿沼紫乃)はアグリを恨む日々。第一章で描かれた圧倒的な強さを持つヤマタイであってしても、内部には様々な事情、思惑が混在している事が語られていくのである。

Symphonic Drama 「火の鳥 ~黎明編~」 ⓒ青二プロダクション

ヒミコの鬼気迫る迫力の歌唱、アグリによる美しい癒しの歌声も必見だ。