さらに、一見すると漫画に関係無さそうな名門ファッションブランドのGUCCIも『ジョジョ』とつながりがある。ファンとしてすぐ思い浮かぶのは、第五部の舞台がイタリアだったという設定だろう。ギャング団に入った主人公のジョルノが仲間とともにイタリア各地を転戦する展開だった。GUCCI本店があるフィレンツェの名前も当然登場しており、強敵プロシュート&ペッシとジョルノ一味が死闘を繰り広げた「フィレンツェ行き超特急」編は読者の評価が高いエピソードのひとつだ。昨年、フィレンツェにミュージアム「GUCCI MUSEO(グッチ ミュゼオ)」がオープンした際には荒木先生もゲストとして呼ばれ、集英社の雑誌SPUR(シュプール)の企画で『岸辺露伴 グッチへ行く』が描かれたりもした。
GUCCI MUSEOは仙台と東京に続き国外で「ジョジョ展」が開かれる唯一の場所にも決まっている。日本の漫画人気が高いヨーロッパで『ジョジョ』の芸術性がどう評価されるのかファンとしても楽しみだ。ほかに、GUCCI提供のグッズに荒木先生がサインしたものをオークションに出品し、落札代金がすべて被災地のため寄付されるというチャリティー企画も発表された。このオークションが開催されるのも集英社のサイトだ。
……このように荒木先生と『ジョジョ』を軸にして、集英社・仙台・GUCCIが綿密に結びついているのが分かると思う。同じ「ジョジョ展」でも開催地が違えばコンセプトが違い、荒木先生の書き下ろしたキービジュアルも異なるなど多様性に富んでいる(仙台展は七夕、東京展は富士山、GUCCI展はフィレンツェがモチーフ)。すでに「ジョジョ展」公式サイトもオープンしているので、興味のある方は詳細な開催時期や内容を随時チェックしておくといいだろう。