前フリが長くなってしまったが「ジョジョ展」レポートに移ろう。ただ、公式チャンネル [https://www.youtube.com/arakiJOJOch/] で見られる録画のダイジェストになっても味気ないので、この発表会から垣間見えた作者・荒木飛呂彦先生の“キャラクター性”を軸に記者の視点で語っていきたい。
■仙台から東京、そしてフィレンツェに旅立つ『ジョジョ』
記者発表会はまず荒木先生に先がけ、3名のゲストが登壇した。最初に集英社代表取締役社長の堀内丸恵氏、次に宮城県仙台市で副市長を務める伊藤敬幹氏、最後にGUCCI JAPANのCEO、クリストフ・ドュ・プゥス氏の順で挨拶を行なった。いずれも荒木先生自身に、そして「ジョジョ展」に関わりの深い方々だ。
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仙台市は言わずと知れた荒木先生の出身地。また『ジョジョ』第四部・第八部の舞台となった「S市杜王町」も仙台がモデルだ。とりわけ第八部は構想中のタイミングで東日本大地震が起こったため、その被災地であるというリアルな設定も作中に付け加えられている。荒木先生は郷土愛も強いようで、2008年に同市で行われた「仙台アーティスティック・デザインマイバッグ・キャンペーン」にてエコバッグのデザインを手がけた。「ジョジョ展 in S市杜王町」が仙台市で開催されることになったのも、震災復興のため被災地を元気づけて欲しいという願いに荒木先生と集英社が応えたものだという(しかも開催時期は東京より早い)。
続いて集英社は荒木先生の主戦場であり、デビュー作『武装ポーカー』から代表作『ジョジョの奇妙な冒険』まで掲載した週刊少年ジャンプを発行する出版社である。ウルトラジャンプやジャンプスクエアなどでも作品を発表しているが、やはり集英社だ。仙台市が荒木先生の人間としてのふるさとなら、集英社はプロ漫画家としてのふるさとと呼べるだろうか。ちなみに記憶に新しい方も多いかもしれないが、震災直後に雑誌の流通が滞った時期があった。この時に一人の客から漫画雑誌が提供され、書店につめかけた100人以上の子供たちが回し読んだというエピソードが新聞に掲載され話題となった。この漫画誌こそ、かつて『ジョジョ』が連載された週刊少年ジャンプであり、舞台はまさに仙台市の書店だった。