広告よりも人間が目立つと意味がない

「今後はひとりの人間が持っている色々なスペースを広告枠として売りたい」と語る家入氏(右)と大川氏。
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さて、広告といえば効果測定が大事だが、実際にはどのように行っているのだろうか。ネット広告だとすべての数字が明らかになるが、顔面広告だとそうはいかないだろう。現状は広告主からの申告で成り立っている。これまで最も良い結果が出たのは、Facebookを活用した無料合コンセッティングサービスの「ソーシャルコンパ」だ。

顔面広告を出した結果、新規で600ユーザを獲得したという。その日の大川さんの移動ルートは、いつもと同様に六本木ー横浜間で、何ら変わりはなかったという。広告のクリエイティブ次第で、目立つか目立たないか、またその後「あれは何だったのか?」と調べたくなるかどうかが、数字に大きく関わってきそうな気がする。

顔面広告が知名度を上げるにつれて、「自分もやりたい」という問い合わせも増えている。「僕の方が大川さんよりも目立つ外見だと思います」「ちょっとした女性有名人がやった方がいいのでは」というコメントも来る。しかしそれはあまり正しくはないと大川さんは語る。

「人間の方が目立ってしまうと、広告ではなくなるんです。そういう観点で、僕のように有名人ではなく、普通っぽいというポイントは、どうしても外してはいけないんです」

今後の展開は、9月いっぱいまでのテスト期間を終えてから決まる。大川さん以外にも何人か広告を出せる人が選べたり、女性の胸元に出したりと実現可能なものから未知数なものまで、いくつか案はある。Livertyを取り仕切る家入氏によると「顔にとどまらず、ひとりの人間が持っている色々なスペースを広告枠として売れるようなプラットフォームにしていきたい。今後顔面広告だけではなく、Livertyは一人ひとりの可能性を広げていくサービスを立ち上げていきます」とのこと。
10月からどんな新しい動きを見せてくれるのか、楽しみだ。

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フリー編集者・ライター。岡山県出身。中央大学法学部卒業後、楽天、リアルワールドを経てフリー編集者/ライターに。関心のあるテーマは女性の生き方や働き方、性、日本の家族制度など。結婚・離婚を一度経験。11月14日に『はたらく人の結婚しない生き方』を発売。