公園での毎回の光景。時計の針が16時を回り「そろそろ買い物して夕飯作らなきゃ」と思って「そろそろ帰るよ」と言うと「嫌だ!まだ遊んでる!」と頑として砂場から動かない子。すんなり帰宅させる方法はあるのでしょうか?
『1人で出来る子になる 「テキトー母さん流」 子育てのコツ』の著者の立石美津子がお話します。
公園でせっかく機嫌よく遊んでいたのに、毎回毎回帰宅時刻になると親子のバトルが繰り返されます。最後には「もう遅い時間なんだからいい加減にしなさい!」と怒鳴ることになり、泣く子ども。何とかしたいですよね。
どちらも自分の都合がある
ママの都合
- スーパーに行って夕飯の食材を買いたい。
- 一分でも早く帰宅して、家事をしたい。
- 明日のお弁当の下ごしらえをしたい。
- 時間がずれ込むと、夕飯→風呂→寝かしつけ、すべてが押せ押せになる。
- 寒くなってきたので風邪を引かせたくない。だから帰りたい。
子どもの都合
- 砂場の山をもっと高く盛りたい。
- 砂場が終わったら滑り台を滑りたい。
- まだ遊んでいる友達もいるのに、なぜ、自分だけ帰らなくてはならないんだ。
子どもはまだ遊んでいたい。でもママは帰りたいのです。このように子どもと親のやりたいことが全く違うのです。子どもは一分一秒でも長く遊んでいたいのですが、親は一分一秒でも早く公園から帰りたいのです。
脅してる?ダブルバインドは止めよう
ママ「もう帰るよ」
子ども「嫌だ~もっと遊びたい!」
ママ「じゃあ勝手にしなさい、ママは先に帰るよ!バイバイ」
このような“矛盾した命令”が、「ダブルバインド=二重拘束」です。
親は「早く遊びを切り上げてほしい」と思い、「もう帰るよ」とはじめに声をかけます。
けれども、子どもが言うことを聞かないと、今度は180度違う言い方をして「じゃあ勝手にしなさい」と命じます。しかも「バイバイ」と言い、立ち去るふりまでします。
たいていの子どもは「勝手にしなさい!」と言われるとワーンと泣き、慌てて帰る支度をします。一人で帰ることは怖くてできないからです。それに「親に見捨てられたら大変だ!」と思うからです。
結果、親の言うことに従います。
けれども、もし仮に、子どもが「ラッキー!じゃあ勝手に遊んでいていいんだ、ママ、バイバイ!」と文字通り受け取り、嬉しそうに遊び続けたら…?
たいていのママは、最初に自分が放った言葉を実行して「子どもを置き去りにして先に帰る」ことはしません。
どうしてかというと、愛情があるからです。だから、「いい加減にしなさい!」と更に叱り、わが子の腕を掴んで連れて帰るでしょう。
でも、この時点で親の行為は、指示したことと矛盾しているのです。