メーター以上に重要な、女の子の相棒クルーズ・ラミレス
ライトニング・マックイーンの相棒と言えば、今までは、親友のメーターのポジションでした。
『カーズ/クロスロード』でも、マックイーンとメーターの友情は健在ですが、より重要な相棒となるのが、クルーズ・ラミレスという女の子です。
クルーズ・ラミレスは、ライトニング・マックイーンに憧れてレーサーになる夢を抱いた過去があります。努力家で、才能もあったにもかかわらず、初レースで萎縮してしまい、レースの世界は自分の居場所ではないと感じ、レーサーを諦め、トレーナーになりました。
憧れのライトニング・マックイーンのトレーナーにつくことができ、奮闘するのですが、彼女もまた変化していきます。
子どもが誰しも成長していく上でぶつかる壁
一般的に、幼児期の子どもは、将来の夢を語れば「大統領になる」「スーパーヒーローになる」と言うように、無限大の全能感を持っています。
が、小学校・中学校・高校と進学するにつれ、自分の個性や特性、置かれた環境、得意なことと苦手なことを知り、自ら可能性を限定していきます。「自分がどうしたいか」よりも「現実的に、自分になにができるか」のほうが、上位になっていきます。
その意味で、クルーズ・ラミレスは、私たちが経験することを、象徴しているキャラクターです。
ポジティブで、キャリアの上でも、トレーナーとして成功している。ただ、自分が本当にやりたい心の声に、耳を傾けられず、心折れてしまった。
クルーズ・ラミレスは、表面上は成功しているけれど、心の中では成功していないのです。
アンドレア・ウォーレンさんに、クルーズ・ラミレスについて聞くと、
「子どもたちに、メッセージを感じて欲しいキャラクターです。
夢を諦めないということ。人生には、サプライズも含め、いろいろ起きるし、自分も変わるかもしれない。でも、別に、夢を追っていいんだよ、と。
もしかしたら、当初思い描いていたのとは、違う到達点になるかもしれません。でも、それも別にいいんだよ、と」
きっと、8歳と4歳の子どもの母として、実感を込めて、製作したのでしょう。
私も、公開され次第、すぐに子どもたちを連れて、映画館へ行きます。
2017年の夏休み、絶対に観るべき、全力おすすめの映画です。
■『カーズ/クロスロード』
2017年7月15日(土)公開
配給/ウォルト・ディズニー・ジャパン
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