ロンドンオリンピックの真っ最中。現時点では金メダルは4つ。柔道の松本薫選手。体操の内村航平選手。レスリングの小原日登美選手と伊調馨選手。もちろんマスコミ映えもあるので、女性選手が引っ張り出されがちなこともあるだえろうが、なんとなく女性選手の活躍が目立っている。このレポートが掲載される頃には、全ての日程が終了しているだろう。さてどんな結果が出ているだろうか。
今回注目していた競技の一つに、自転車のトラック競技がある。アテネオリンピックではチームスプリントで銀メダル、北京オリンピックではケイリンで銅メダルを獲得してきた。ロンドンオリンピックには男性3人、女性1人の選手が出場したが、残念ながらメダル獲得は至らなかった。
注目していた理由のひとつに、報奨金の高さがある。メダリストには、日本オリンピック委員会から金メダル300万円、銀メダル200万円、銅メダル100万円の報奨金が出る。それに加えて競技によっては各団体などが個別に用意していることもあり、自転車トラック競技では、日本競輪選手会などから金メダル3,000万円、銀メダル2,000万円、銅メダル1,000万円の報奨金が予定されていた。これは競泳の金メダル3,200万円、銀400万円、銅150万円と肩を並べるくらいのずば抜けた金額だ。高額な飴だったが、残念ながら自転車競技にメダリストは生まれなかった。4年後に期待しよう。
もうひとつの理由が、女性選手のみの競輪“ガールズケイリン”の開始だ。7月1日に神奈川県平塚競輪場で「平塚ガールズケイリン」が開催。これは48年ぶりの女子競輪競技の復活で、第一期生の33人が競技に出場、その後も京王閣(東京)、松戸(千葉)でレースが開催されている。かつて女子競輪が開催されたのは、戦後まもない1949年から1964年。最盛期には600人を超える女性競輪選手が在席したが、人気低迷と選手の高齢化などで廃止となった。その後、女性のスポーツ参加が進むと共に、自転車競技の底上げを狙う関係者の思惑もあって、今回の“ガールズケイリン”として復活した。33名の履歴は多種多様。スケート選手から自転車競技に転身するアスリートは男性にもいるが、2002年のソルトレイクシティー冬季オリンピック、2006年のトリノ冬季オリンピックにスピードスケートで日本代表となった渡辺ゆかり選手がいる。また二世三世のアスリートが居るように、戸田みよ子選手や三輪梓乃選手は父親が競輪選手である。現在は女子二回生が研修中であり、同時に三回生の募集(8月末まで)がなされている。更なる層の厚さとつながるのが楽しみだ。
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