未来=&BEYOND
日本展オリジナルのこのパートでは、およそ90年の間"夢"や"希望"という未来へのポジティブなメッセージを発信し続けてきたミッキーマウスを、10名のアーティストが描きます。
ディズニーアーティストが描くミッキーマウス6作品
まず展示されているのは、『アラジン』でジーニーのリードアニメーターを務めたエリック・ゴールドバーグをはじめ、『アナと雪の女王2』、『ベイマックス』や『リロ・アンド・スティッチ』など馴染み深い作品で活躍しているディズニーアーティスト5名が、この展覧会のために新たに制作した6点。
テーマは「未来の扉を開けるミッキーマウス」です。
日本人アーティストが表現したミッキーマウス5作品
5人の日本人アーティストが、「誰も見たことがない、まったく新しいミッキーマウス」というテーマで自由に制作。
内覧会では、3人のアーティストから作品についての詳しいお話を伺いました。
コラージュアーティストの河村康輔氏が表現したのは、手と顔を花に替えたシルエットのミッキーマウス「Untitled」。
幼少期に観た『ファンタジア』の断片的な記憶から、「花」「暗闇」「ミッキーマウス」を組み合わせて描いたそうです。
ミッキーマウスの表情や動きをあえて隠しているため、見る人によって違う印象を持つ作品となっています。
書道家 万美氏の作品「ZEN Mickey」は、ミッキーマウスの姿を共通言語として捉え、書道化したもの。
200枚以上を書いた中から"一番ワクワクさせられた"一枚を軸にして中央に据え、選ばなかったものを下に積み重ねることで常にアップデートを繰り返してきたミッキーマウスの長い歴史を表しています。
茶室をイメージした四畳半の空間は、おもてなしの空間=ディズニーランドを表現しており、空間演出も含めて一つの作品となっています。
添田奈々氏の作品「LOVE」は、レトロな雰囲気を感じるペイントアート。
「未来は過去の体験や思い出を蓄積して作られるもの」という考えから、制作にあたり昔のミッキーマウスのぬいぐるみの表情を参考にしたそう。
過去のミッキーマウスを、未来のミッキーマウスが大きな腕でぎゅっと抱きしめ、「過去を大切にしている」という構成です。
他に、イラストレーターの大島智子氏、ネオンアーティストのWAKU氏の作品が展示されています。
ウォルト・ディズニーの名言がかつてないほど心に響く展覧会
展覧会の最後を締めくくるのは、壁に浮かび上がるウォルト・ディズニーの言葉です。
「いつだって忘れないでほしい。すべて一匹のねずみから始まったということを。」
ディズニーが好きな人なら一度は聞いた事があるであろうこの名言が、これほど心に響いたのは初めてでした。
展示されているアートを制作したアーティスト、作品を見て楽しむ私たちの中には、同じ一匹のねずみ=ミッキーマウスの姿がありながら、その形は人それぞれに違っているのだということを展覧会を通じて強く感じたためです。
「ミッキーマウス展 THE TRUE ORIGINAL & BEYOND」は、未だかつて見たことのないミッキーマウスに出会いながら、自分の心の中のミッキーマウスの姿を意識させられる展覧会でした。
展覧会概要
「ミッキーマウス展 THE TRUE ORIGINAL & BEYOND」
日程:2020年10月30日(金)~2021年1月11日(月・祝)※会期中無休開館
間:10:00~20:00 ※火曜は17時まで(ただし、11月3日、12月29日、1月5日は除く)※入館は閉館時間の 30 分前まで
会場:森アーツセンターギャラリー(六本木ヒルズ森タワー52階)
入館料:一般 (大学生以上)2,800円、中高生 2,000円、小学生 1,200円 ※未就学児無料
※ご観覧には「日時指定入館券」が必要です。