比べてはいけないとわかっていても、同じ月齢の子ができていることを我が子ができないと気になってしまうもの。ネットで同じような悩みを検索して、さらに不安になることもあるでしょう。
書籍『でこぼ子育児日記 ~うちの子、発達障害?~ 』の著者、十子(とおこ)さんは、年中になる、十色(といろ)くんを育てるママ。
この書籍はブログ、「十人十色〜自閉症スペクトラムの息子との日々徒然〜」が元となっており、といろくんが1歳半の頃から自閉症スペクトラムと診断されるまでのママの不安や葛藤、そして発達障害を受け入れるまでが綴られています。
今回は著者の十子さんにインタビュー。書籍の内容、そしてといろくんとの生活についてお伺いしました。
自閉症スペクトラム:発達障害のひとつの分類で、社会性やコミュニケーションに困難を抱える障害です。以前は自閉症、アスペルガー症候群など別々の名称で呼ばれていましたが、これらの発達障害を包括的に捉えた概念の名称のことをいいます。
でこぼ子育児日記〜うちの子、発達障害?〜
診断を受けてから、障害と向き合えるようになった
——このブログを書こうと思われたきっかけを教えていただけますか。
十子さん:自分の心境の変化を書いておきたかったからです。「息子は発達障害かもしれない」というグレーな期間に、うまく受け止められなかったこと。そんな自分が、診断を受けてから、息子の障害と向き合えるようになったことを書いておきたくて始めました。
——といろくんが自閉症スペクトラムと診断される前、ネットの情報や、ママ友の話などに不安になったり、安心したりという様子が描かれていました。
また、診察では小児科の先生と発達専門の先生で意見が異なるということにも驚きました。十子さんは、そんな中でどうやって情報を取捨選択されていますか?
十子さん:診察してもらう前は、自分にとって都合のいい意見だけを信じてしまう事が多く、それで安心しようとしていました。でもそれはただの現実逃避だと気付きました。
専門のお医者様に診察してもらったり、療育園の先生とお話しするようになってからは、「専門」の事は「専門の先生」や、「その道に詳しい人」に聞くのが1番だと思いました。
小児科の先生でも、専門の先生でも、「お医者様の話だから手当たり次第聞く」のではなく、自分が納得できるか、信じられる情報かどうかだと私は思います。