WOWOW 『連続ドラマW コールドケース3 ~真実の扉~』12月5日(土)スタート(全10話、第1話無料放送)毎週土曜夜10時よりWOWOWプライムにて放送©WOWOW/Warner Bros.Intl TV Production

全米高視聴率ドラマの日本版「コールドケース」

“未解決”と言われると、人は解決したくなるもの? 現実はもちろん、エンタメの世界もそれは同様。

ニュース番組やワイドショーで取り上げられる“未解決事件”に視聴者からの大きな関心が向けられるように、“未解決事件”を扱った犯罪捜査ドラマや小説も非常に人気が高い。

そんな“未解決事件ドラマ”の中でも、特に注目を集めているのが「連続ドラマW コールドケース3 ~真実の扉~」だ。

WOWOW開局30周年記念作品として放送される本作は、2003年から2010年まで全7シーズンにわたり、米CBSで放送された高視聴率ドラマの日本版。

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未解決凶悪犯罪、通称“コールドケース”を扱う捜査チームの奮闘、さらには“コールドケース”に関わる事件当事者たちの人間模様が、事件が発生した過去と再捜査が進められる現在を交錯させる形で描かれていく。

日本版「コールドケース」では神奈川県警捜査一課を舞台に、チームリーダーの女性刑事・石川百合(吉田羊)らが活躍。

“未解決事件を作る”には、どのようなプロセスがとられているのか?

各話異なる未解決事件の真相をチームの面々が解明していくのだが、各シーズン全10話、このたびシーズン3を迎える「コールドケース」内で扱われた未解決事件は実に30件近く。

事件の起きた時代も異なれば、背景も事情も多種多様な未解決事件の数々は、どのように作られてきたのだろうか。

“未解決事件を作る”には、どのようなプロセスがとられているのか?

未解決事件を描く上でこだわっていることは?

そもそも、なぜ事件は未解決になってしまうのか? それを解き明かす鍵はどこにあるのか…。

「連続ドラマW コールドケース3 ~真実の扉~」を手掛ける岡野真紀子プロデューサーに、ドラマづくりの裏側について聞いた。

岡野真紀子プロデューサー 撮影:源 賀津己

ドラマで取り上げる未解決事件のこだわり

──ドラマ内で取り上げる未解決事件は、どのように決めていくのでしょうか?

「2つのやり方があり、1つは本国版のエピソードから取り上げたいものを選定する方法、もう1つは日本オリジナルの物語を作る方法です。シーズン3で言えば、その割合は半々ほどになりました。

日本オリジナルの物語に関しては、自分たちが興味を持っている題材について、ディスカッションを重ねていきます。

シーズン3の場合、私は臓器移植法の改正(第1~2話)やデートレイプ(第6話)を取り上げたくて。

また、第9話の脚本を担当してくださった瀧本(智行)さんからは、中国残留孤児のテーマを扱いたいという提案がありました。

WOWOW 『連続ドラマW コールドケース3 ~真実の扉~』 12月5日(土)スタート(全10話、第1話無料放送) 毎週土曜夜10時よりWOWOWプライムにて放送 ©WOWOW/Warner Bros.Intl TV Production

──事件というより、社会的背景が出発点なんですね

そうです。もともと「コールドケース」は、「犯人は誰だ?」「からくりはこうだ!」というドラマではないと思っていて。

「あの時代だからこそ、このような事件が起きた」という背景のテーマ出しを優先的にやっています。

──各テーマが決まってから、脚本に落とし込むまでのプロセスは?

事件はなぜ未解決になったのか。事件関係者はなぜ今になって語り始めたのか。刑事たちはそれにどう向き合うのか。

そういったことのすべてを構築していくのですが、それこそが最も難しく、時間がかかるプロセスでもあります。

「こんな事件が当時はなぜ未解決だったの?」と視聴者がひっかかりを感じると、サスペンスドラマとして成立しない。ですから、その説得力をどう持たせるか。どういった感情の揺れ動きがそうさせたのかを描くことに注力しています。

実際の未解決事件を題材にすることは?

WOWOW 『連続ドラマW コールドケース3 ~真実の扉~』 12月5日(土)スタート(全10話、第1話無料放送) 毎週土曜夜10時よりWOWOWプライムにて放送 ©WOWOW/Warner Bros.Intl TV Production

──実際の未解決事件を題材にすることはありますか?

それは一切していないです。現実から直接的に取り入れているのは、時代や社会背景だけですね。

逆に、有名な未解決事件を扱うことからは距離を置いていて。“グリコ・森永事件”など未解決事件はたくさんありますが、あえて扱わないようにしています。

どちらかと言えば、もっと身近で生活に根づいたものを取り入れるように。ワイドショーなどを見て、「人ってこんなことで罪を犯すんだな」なんて感じたときの感覚を取り入れる姿勢でいます。

──そういったアンテナは常日頃から?

ワイドショーはすごく見ますね(笑)。新聞もよく読んで、気になったネタは共有しています。臓器移植法が話題になったときも、たくさんの記事を読みました。

あと、自分の記憶からエピソードを考えつくこともあります。

私の大学時代は2000年ごろで、スーパーフリー事件が話題になった当時の記憶がデートレイプのエピソードに結びつきました。

やはり、自分や友人が見たもの、読んだもの、聞いたものからの影響が大きいですね。「これ、『コールドケース』で扱えるかも!」と思うことはしょっちゅうです。

──そういった話題をミステリーに変換する難しさは?

未解決事件の捜査において、最も感情が動くのは事件の当事者たち。

ドラマで言うとゲスト出演者たちの芝居どころになってくるんですが、そこに刑事たちがいかに触れるか。彼らにどう寄り添ったことで事件が見えてきたのか。

刑事たちと事件のセッションを見つけることに苦労しています。百合はどんな言葉をかけ、関係者たちの心に近づくことができたのか。

(チームメンバーである)信次郎(永山絢斗)は何に気づき、真相に迫ることができたのか。面白い事件を作ること自体は意外と簡単で、それを刑事たちに紐解かせることのほうが難しいです。