「サイクリングのサークルに入っているのですが、そこで知り合った女性たちと仲良くなり、よくみんなでお茶や食事に行きます。
ある日、ひとりが『実は不倫しているの』と話しはじめ、みんな興味津々で聞いていました。
連絡する手段が限定されていることや証拠を残さず会う方法など、不倫あるあるな話が多くてドキドキでした。
実は私も不倫中で、でも周りにはずっと彼氏募集中と言っているので、“わかる～！”とうなずくことがあってもそれを口に出すのはさすがに怖かったです。
ところが、彼女が
『奥さんが実家に帰ってくれたらもっと会えるんだけどなぁ』
とため息をついたとき、つい
『たまには時間を気にせず過ごしたいって思うよね』
と本音が出てしまいました。
みんな『え！？』といった感じでいっせいに私を見て、慌てて
『あ、いや、不倫だったらとにかく時間を気にするんじゃないかなと思って……』
と言い訳したのですが、かなりあやしまれたと思います。
彼氏募集中といいながらマッチングアプリもやらず合コンも行かず、周りからは『もっと行動しないと！』と言われても笑ってやり過ごしていたのですが、不倫相手の彼も同じサークルにいるんですよね。
“この人、不倫しているかも”と思われたら次は必ずその相手探しがはじまるので、それからしばらく彼とはサークルでは距離を置いています。
不用心なひとことが危険を招く、とつくづく後悔しました」（34歳／営業）
堂々と周りに話せない不倫関係は、窮屈さのストレスがどこかで出口を求めます。
他人の不倫話を耳にしたとき、共感が大きくなってつい本音が漏れてしまう、というのはよくあること。
でも、それを聞いて「この人も不倫しているに違いない」と思われたら、隠れて不倫中の証拠を探す人も現れるかもしれません。
うかつなひとことがさらに自分たちを窮屈にするのですね。
