『THE FINAL』も過去3作の映画同様、3日間(今回はクリスマスまでの3日間)で起きる複数の事件が描かれている。そして『THE MOVIE』では張り込みと見せかけてゴルフ接待、『THE MOVIE2 レインボーブリッジを封鎖せよ!』では捜査と見せかけて訓練、『THE MOVIE3 ヤツらを解放せよ!』では会議と見せかけて引っ越しの打ち合わせと、常に映画冒頭はギミックに凝ったフェイクのシーンが用意されているが、今回は!? また過去3作ともに、黒澤明作品へのオマージュがあるが、今回も?
構造的な面白さもある『踊る』。ひとまず映画3作を見直しておくことは必須だ。

1 青島、原点に立ち返る

いい意味で、何も変わらないように見える青島俊作(織田裕二)。『THE MOVIE3 ヤツらを解放せよ!』で係長に昇進したものの、型破りで、自分が先頭を切って走っていってしまうところは本作でも変わらない。そんな青島が仕事に慣れきってしまい、事件を大小で観るようになってしまっていたのが、『THE MOVIE2 レインボーブリッジを封鎖せよ!』。その中で再び初心を思い出して、原点に立ち返っている。青島のここまでの変化を見返すということでも、『2』は要チェック。また、初心というのは本作のキーワードにもなっていて、今回、室井慎次(柳葉敏郎)を前にして青島が自分の思いを語る言葉にも、それが表されている。青島の根底にある志しとは?

2 過去シリーズに出ていた、あのゲストキャラが!

ファイナルである本作には、『踊る大捜査線』名物のゲストキャラが、これでもかと登場している。復習として特に抑えておくべきなのは、『…歳末特別警戒スペシャル』。和久平八郎(いかりや長介)が面倒を見ていた、田口主将演じる酒飲み老人のクニさん(第1話にも登場)、平賀雅臣演じる窃盗犯(『THE MOVIE』『2』『THE LAST TV』にも登場)、そして三上一朗演じる『スタートレック』の赤い艦長服の男・三井一郎(『番外編 初夏の交通安全スペシャル』や『…2』、『交渉人 真下正義』にも登場)も出演している。またTVシリーズ第11話、『秋の犯罪撲滅SP』に登場していた人物が、今回は警備員役で登場! 両作にまたがるあの人です!!