7月19日、東京・中野サンプラザホールにてSEX-ANDROIDの日本縦断単独ツアー'17【医者ROCK NEVER DIE】ファイナル公演が開催された。
22年目を迎えたものの今年1月に休止を発表したバンドの節目、そして中野を拠点に活動する彼らにとって、待望の中野サンプラザホール公演を見届けに、会場には多くのファンがかけつけた。
SEX-ANDROID(以下・セクアン)というバンドの魅力は大変言語化しにくいもので(「曲がいい」は前提として)、白塗りに白衣をまとい「医者ロック」を標榜してはいるものの、楽曲に医療用語が頻出するわけでもなく、SEは『必殺仕事人』のテーマ。ステージに至っては脚立が中央に配置されており、YU-DAI(Vo)は時に脚立の頂上で歌い、時にうさぎのぬいぐるみを抱え、時にはヌンチャクを振りまわす――。マジで書いててよくわかんなくなってきた。
その「よくわかんないバンド」が奇跡的なバランスで成立して、奇跡的に20年以上活動を続けていたわけで。そんなバンドの一つの節目となるライブ、ロビーにはずらりと並んだファン有志からの提灯(予め公式サイトで受け付けていたもよう)盟友であるミュージシャン、バンドたち、ライブハウスからの花、賑やかかつ和やかな雰囲気に包まれており、セクアンが色々な人に愛されているということが伺いしれる。
「よくわかんないバンド」ということは、それは「換えのきかないバンド」ということでもあるのだ。
東京都中野区からやってまいりました! SEX-ANDROID!
開演前のBGMも「LOVEさりげなく」(SEX-ANDROIDもカバーしています)から沢田研二や一世風靡セピアなど70〜80年代のロック・ポップスが流れ、なんともセクアンらしい空気。そして開演予定時刻を回ると、矢沢永吉が大音量で流れはじめ、暗転。おなじみの「必殺仕事人」のテーマが流れ始まる。緞帳があがっていくと、そこにはTφRU(G)、JUNRO(B)、そして脚立の上で仁王立ちするYU-DAI。
彼の「夢の中野サンプラザ! 一生懸命やります!」という声で、キレキレの演奏が始まる。1曲目は『グッドモーニングサブカルチャー』だ。
「眠れない夜に耳をふさいで 彷徨った心を武器と知れ 例え小さな世界だとしても 誰かがお前の言葉を待つ」
というサビの歌詞が不遇の時期が長かったセクアンを象徴するようで、セクアンの様々な曲や歌詞に癒やされたり救われてきた者も少なくはないのだろうか。そういう意味では本当に「医者ロック」なのだと思う。