これから、働きながら妊娠する、もしくはすでに妊娠しており、仕事を続けているという人は多いのではないでしょうか。 最近では決して珍しくなくなりました。
けれど、妊娠中は体調がかんばしくないときもありますし、仕事との両立や今後の働き方についても不安になるものです。
そこで今回は、起業して2年目に妊娠が分かり、妊娠中も仕事を続けていた社外メンター事業を行う株式会社MANABICIAの代表、池原真佐子さんにお話を伺いました。
働く女性として、また妊婦として、どのような悩みを抱え、どのように解決していったのか、その体験談からは、ヒントが得られますよ。
産婦人科医から言われていたこと
池原さんは起業後に妊娠したため、妊娠中も働いていました。臨月のときには夫が単身赴任で不在となり、出産も一人で行ったそうです。
--妊娠中は産婦人科医から、仕事中の行動についてどのようなアドバイスを受けていましたか?
池原真佐子さん(以下、池原)「私はバリバリと働きながら妊娠生活を送ることを担当医へ伝えており、担当医は臨月から一人で過ごす妊娠生活や、仕事もバリバリ行うライフスタイルを理解し、応援し、励ましてくださいました。
妊娠中、診察に行くたびに『まさこちゃ~ん、気楽に気楽に! 元気に過ごそうね』と肩をポンと叩いてくれるような、明るいおじいちゃん先生でした。
先生からは、いつも次のことを言われていました。
- 前向きに過ごすこと
- 心配しすぎないこと
これらのアドバイスは、妊娠中、たとえ働いていなくても共通するものだと思います。
私は当時、初めての妊娠でとても神経質になっており、毎日3食に食べたものすべてを記録し、浮腫(むくみ)対策として塩分濃度を計算しグラフにする徹底ぶり(笑)。妊娠中、1日も欠かさず続けました。
そのような中で、先生の『気楽にね』という言葉かけはとても救われました」
妊娠中の体調は? 仕事はどうした?
--妊娠中、働きながら体調の変化はありましたか?
池原「妊娠中の体調は個人差があると思いますが、私の場合、妊娠中に大きなトラブルはありませんでした。妊娠前と変わらずフルタイムで働き、残業もかなりしていました。
一度、破水して入院したこともあったのですが、その日も直前まで4-5時間連続のミーティングを行っていました。
ただ、さすがに妊娠後期には、臨月はおなかも大きくなり、体の変化が大きく、疲れやすいということはあったかもしれません。また、私以上にお客様やクライントが気を使ってくれるようになりました。
ただ、妊娠中は何があるかわからないので、自分の体のペースを知ること、そして、緩急つけた働き方をすることが大事だと思いました」
妊娠中に働きながら困っていたこと
--妊娠中に働きながら、何か困ったことはありましたか?
池原「一つは、臨月から夫が海外赴任で不在となり、とても心細かったことです。ひとり暮らしでサポートをしてくれる人がいなかったのは大変でした。
またもう一つ、自分の事業をまわすことをしている人が身近におらず、同じようなロールモデルがいないというのも困りました。
出産後は、会社員のように育児休業制度があるわけではないので、働き方をどうすればいいのかという情報がないことにも困りました」
--その困ったことを、どのように解決しましたか?
池原「経験者、いわゆるメンターと呼ばれる先輩女性や、ロールモデルのような女性たちを見つけて積極的に連絡を取り、たくさん話を聞いてもらい、妊娠と仕事の両立のコツや、起業した後、出産しても働き続けるための工夫やサービスについての情報を聞いてまわりました」