男の子、女の子に関わらず、子どもには、将来の一人暮らしや結婚に備えて、料理や掃除、洗濯など基本の家事がこなせるスキルを身につけさせたいものです。
子どもの家事力を養うには、家でお手伝いをさせるのが一番。とはいえ、子どもにお手伝いをさせるのはけっこう大変です。
なかには自分からしたがる子もいるようですが、そんな子ばかりではありません。特に男の子の場合、あちこち動き回ってお手伝いどころではない活発な子や、家事に興味がない子も多いでしょう。
「でも、男の子にこそお手伝い体験は必要なんですよ」と話すのは、「子どもを伸ばすお手伝い」をテーマに全国でワークショップを開催している家事セラピストの粂井(くめい)優子さん。
粂井さん(以下、粂井)「これからは、夫婦で働いて、いっしょに子育て、家事をする時代。お手伝いをまったくさせずに放っておくと、将来、息子のお嫁さんに『家事もできない人と結婚するんじゃなかった』なんて思われてしまうかもしれません。
お嫁さんに『この人と結婚してよかった』と思ってもらうためにも、男の子のママこそ、ぜひ子どもが小さいうちからお手伝いを習慣にして、家事ができる子に育てましょう」
では、そのためにはどうしたらいいのでしょうか。詳しくお話を伺いました。
1.子どもをよく観察して、その子に合うお手伝いを見つける
粂井さんによると、お手伝いの始めどきは「歩けるようになったら」。小学生や中学生でも遅いということはありませんが、できれば幼児期の早いうちから始めると、お手伝い習慣が身につきやすいそうです。
とはいえ、言葉や手先がおぼつかない幼児に、一体何をさせればいいのでしょう?
粂井「その子にとって最適なお手伝いは、年齢や子どもの個性、家庭によって異なります。
たとえば歩けるようになったばかりの1、2歳の子でも、レタスをちぎったり、トマトのヘタをとったりといった簡単な料理のお手伝いはできますよね。新聞をとっている家であれば、パパに『ハイ』と新聞を渡すのも立派なお手伝いです。
ちょっとゆるめておいたジャムの瓶のフタや、ティッシュをとるだけでもかまいません。少し慣れたら、家族の靴を揃えるのを担当させてもいいし、テーブルにお皿やお箸を並べさせるのもいいですね」
男の子ママは「常に動き回ってる男児にお手伝いなんてムリでしょ」と思うかもしれませんが、遊び盛りの活発な男の子だから楽しめるお手伝いもあるそうです。
粂井「おすすめは、メラミンスポンジでお風呂場の床や壁を磨かせること。キレイになったという結果が目で見えるので、遊び感覚で熱中するはず。
ママが子どもの様子や発達ぶりをよく観察して、その子に合ったお手伝いは何か、常に考えながら、自分流、我が家流の方法を見つけていくことが、家事ができる子を育む一番の秘訣です」
2.お手伝いさせるときの声かけは、質問形式で!
お手伝いをさせるときの声かけや誘い方にもコツがあるそう。
粂井「『○○しなさい』と命令していると、子どもはやる気になれず、お手伝いを嫌がるようになってしまいます。『やってみる?』『いっしょにやろう!』と、子どもの意欲を引き出す声かけをしましょう。
子どもが遊びやテレビに夢中でお手伝いに興味を示さないときには、『そのテレビ楽しそうだね。ママ、○○をしてほしいんだけど、いつだったらできる?』と質問する形で声をかけるといいですよ」