「草食系男子」「肉食系女子」の言葉は、プレッシャー世代(1982-1987年生まれ)の恋愛観を正しく表現しているのか? ブログ発の4コママンガ『アラサーちゃん』でアラサー女子の本音とモテるための努力をシニカルに描いた、ライターでマンガ家の峰なゆかさんが、プレッシャー世代のリアルな恋愛観に迫る。

【プレッシャー世代】とは
最近、ネット界やビジネスシーン、学問の世界などで新世代が台頭し始めている、現在25歳から30歳(1982-1987年生まれ)の世代。ゆとり世代と氷河期世代の間に位置。
人 気ブロガー“sugio”さんが2007年に命名。ネット上で生まれ、ネット上で話題となった。sugioさん曰く「’82 年生まれの北島康介さんのように、人生の大一番で実力をフルに発揮できる有名スポーツ選手が目についた。下のゆとり世代や上のポスト団塊ジュニア世代に比 べて、明るい中にも独特のピリっとした雰囲気を漂わせる方が多いように見受けられた。そこに彼らが過ごした時代性が反映されているのではないか、様々なプ レッシャーに耐えてきた世代なのではないかと考え命名した」とのこと。ここ一番で強さを発揮する、明るさの中に緊張感を秘めた世代。

峰なゆか

恋愛に消極的な「草食系男子」と、恋に対して積極的にアクションを起こす「肉食系女子」が近年増えていると言われている。男性からの積極的なアプローチが期待できない以上、女性から迫らざるを得ない――理屈としてはわかりやすいが、果たしてこれがリアルなプレッシャー世代の恋愛像なのだろうか?

アラサー女性の本音とモテるための努力をシニカルに描いた4コママンガ『アラサーちゃん』の著者であり、自身もプレッシャー世代のライターでマンガ家の峰なゆかさんは「名称がひとり歩きしているように感じる」と話す。

「たしかに、男性はかつてのような『セックスの経験人数は多い方がいい』とする風潮はなくなり、『性愛には興味がないふりをした方がカッコイイ』と考える人が増えているようです。けれど、それが必ずしも恋愛や性愛の優先順位が低いというわけではありません」

 

国立社会保険・人口問題研究所の出生動向基本調査によると、異性の交際相手を持たない25~29歳の未婚者は、'05年の男性47.7%、女性 39.4%から、 '10 年の男性55.9%、女性43.8%と増加傾向にある。ただし、この傾向はほかの世代でも同様で、プレッシャー世代特有の傾向というわけではない。

峰さんによると、「セックスなんかしなくてもいい」と言いながら、パートナーを持つプレッシャー世代男子は多いようだ。また、リアルな恋愛や性愛に 興味がないと思われがちなオタク系男子にも、「3次元の女性は苦手だ」と言いながら、風俗嬢に入れあげる人も少なくないという。プレッシャー世代男子は本 質的に恋愛に興味を示さない「草食系」なのではなく、ガツガツせずに女性との関係を楽しんでいると峰さんは分析。さらに、プレッシャー世代女子については 「『肉食系女子』というのは、エロ本の世界だけの話。都市伝説ですね」と語る。