消極的ともとれる「消去法結婚」
(C)峰なゆか
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恋愛に対して「焦り」を抱いていないプレッシャー世代。では、結婚についてはどうだろうか? 総務省の国勢調査によると、25~29歳男性の未婚率は'05年の70.5%から、'10年の64.5%へと減少。女性も62%から60.7%へと低下していることから、プレッシャー世代が結婚に対して比較的前向きであることが伺える。
「私の世代では、複数の相手から結婚相手を品定めするような雰囲気はなく、ひとりの相手とじっくり付き合って、そこから結婚に発展することが多いようです。結婚には至っていなくても、同棲を続けて長年連れ添った夫婦のような関係を築いている人もいます。『セックスレスだけど、仲はいい』なんてカップルもいて、上の世代から見ればもの足りない関係に感じるかもしれませんね。だけど、本人たちは安定した関係をそれなりに満足しているんです」
従来の恋愛ルールに囚われず、穏やかな恋愛を続けるプレッシャー世代。一見すると、結婚からは縁遠いようにも感じるが、そんな彼らが結婚に踏み切る理由とはなんだろうか?
「妊娠をきっかけに結婚を選択することが多かった先輩世代とは違って、プレッシャー世代は妊娠状態での結婚を避けようとする傾向があります。妊娠・出産と結婚のタイミングが重なれば、ライフスタイルは大きく変わらざるを得ません。そのリスクを避けるために、『妊娠する前に結婚しておこう』と消去法で結婚を選ぶカップルが増えているように感じます」
結婚を強く決意するわけではなく、リスクを計算して選択する、ライトなスタンスでの結婚がプレッシャー世代の特徴だ。なかにはこんなエピソードもあったという。
「久し振りに会った友達とお茶をしていたら、『今日、午前中に婚姻届を出してきたんだよね』と、時間を持て余していたから市役所に行ってきたとでもいうように、軽いノリで言われたときにはさすがに驚きました。ほかには『扶養手当で会社から5000円もらえるから』という理由で結婚したカップルまで。でも、結婚を先延ばしにする傾向があった先輩世代と比べると、ずっと積極的だと思いませんか?」
結婚に至る経緯はともあれ、相手は長年付き合ったパートナー。決して、刹那的な決断ではないところに、プレッシャー世代の真面目さが表れているのかもしれない。