20代前半であれば、多少のスキル不足も「若いから」と許される雰囲気があるもの。
けれど、20代後半からは甘えを捨てて、実力を磨いて、スキルアップを目指すことが必要不可欠だ。
そこで、人材育成コンサルタントの太田彩子さんに、スキルアップのために身につけるべき習慣を学ぶ。
 


※【プレッシャー世代】とは
最近、ネット界やビジネスシーン、学問の世界などで新世代が台頭し始めている、現在25歳から30歳(1982-1987年生まれ)の世代。ゆとり世代と 氷河期世代の間に位置。人気ブロガー“sugio”さんが2007年に命名。ネット上で生まれ、ネット上で話題となった。sugioさん曰く「’82 年生まれの北島康介さんのように、人生の大一番で実力をフルに発揮できる有名スポーツ選手が目についた。下のゆとり世代や上のポスト団塊ジュニア世代に比 べて、明るい中にも独特のピリっとした雰囲気を漂わせる方が多いように見受けられた。そこに彼らが過ごした時代性が反映されているのではないか、様々なプ レッシャーに耐えてきた世代なのではないかと考え命名した」とのこと。ここ一番で強さを発揮する、明るさの中に緊張感を秘めた世代。

変化球にも耐え得る力を養うとき

20代の半ばを過ぎると、昇進、転職、独立など、仕事上での様々な転機を迎えるビジネスパーソンが多い。プレッシャー世代がこれから、仕事でのステップアップを果たしていくためには、どのような力を身につけるべきなのだろうか。企業研修やセミナーを通じて、延べ4万人もの女性をサポートしている、人材育成コンサルタントの太田彩子さんは、「変化球にも耐え得る力」を養う必要があると指摘する。

「入社から3年目までは基礎固めの時期。仕事を選ばず、与えられたことを粛々とやり通すことで、『仕事の持久力』を鍛えることができました。けれど、25~30歳になると、より本格的な仕事を任されるようになるもの。プロジェクトのリーダーや中核メンバーとして、力を求められる機会も増えるでしょう。プロジェクトや所属するチームごとに異なる、さまざまなタスクをマルチにこなせる力が必要となります。そこで成果をあげていくためには、どんな不測事態にも柔軟に対応する、つまり『変化球』にも耐え得る力が必要となるのです。目の前の仕事だけに翻弄されていてはいけません」

では、どうしたらその「変化球」にも耐え得る、柔軟な対応力が身につくのか? 基礎固めの時期から1歩踏み出して、未知な仕事にも自分から積極的に飛び込み「経験」を積むことが大切だと、太田さんは言う。

「基礎固めの時期には、デキる先輩の真似をするなど、『守・破・離』の『守』ができていればよかったのです。しかし、その時期が終われば、『破・離』の部分をいかに伸長できるか。企業をとりまく環境が激変している今、社会から期待されているのは、『守られた型』よりも、『創造性の強い仕事』です。そして、新しい経験をたくさん積むことで視野が広がり、創造性が育まれるのです」