大人になってからじゃ遅い!?18歳までに身につけたい金融リテラシー

平成30年に告示された高等学校学習指導要領解説(家庭編)75ページには以下の記載があります。

生涯を見通した生活における経済の管理や計画,リスク管理の考え方については,
人生を通して必要となる費用はライフステージごとに異なることについて理解して
生涯収支に関心をもつようにするとともに,将来の予測が困難な時代における
リスク管理の考え方について理解できるようにする。また,生涯を見通した経済計画を
立てるには,教育資金,住宅取得,老後の備えの他にも,事故や病気,失業などの
リスクへの対応策も必要であることについて理解し,預貯金,民間保険,株式,債券,
投資信託等の基本的な金融商品の特徴(メリット,デメリット),資産形成の視点にも
触れながら,生涯を見通した経済計画の重要性について理解できるようにする。出典(高等学校学習指導要領解説(家庭編)75ページ)

コロナ禍において、今がまさに『将来の予測が困難な時代』であることを実感されている方が少なくないのではないでしょうか。

これから大人になる子どもたちが、たくましく生きる力を育むため、高校の家庭科の授業では、基本的な金融商品やリスク管理などの幅広い知識を身に着け、資産形成や経済計画の重要性を理解することが求められています。

「家計管理」の重要性

高等学校学習指導要領解説(家庭編)38ページ『生活における経済の計画』の項目の中には、

『家計の構造や生活における経済と社会との関わり、家計管理について理解すること』出典(高等学校学習指導要領解説(家庭編)38ページ『生活における経済の計画』)

との記載があります。

限られた予算の中で、計画的に家計を管理することは、社会の中で自立して生活するために必要不可欠なスキルです。

子どもたちが将来、自分自身で家計管理できるようになるために、小さいうちから少しずつお金を扱う練習をさせ、お金の管理や計画的な使い方を習慣づけることが大切です。

そのためのツールとしては、『おこづかい』を活用するのが効果的です。

「おこづかい」から学べること

小学校入学を機におこづかい制度をスタートした筆者の長男の場合、まずはお金を管理する習慣をつけてほしいと思い、筆者が所属するキッズ・マネー・ステーションも推奨する、貯金箱を3つに分けて管理する方法を取り入れました。

(1)自分の欲しいものを買うためのお金
(2)人のために使うお金
(3)いざという時のためのお金(貯金)

という目的別の3つの貯金箱を準備して、まずはそれぞれに毎月300円ずつ、合計900円を渡すことにしました。

小学校低学年にしては金額設定がやや高めに感じられるかもしれませんが、おこづかいを導入する目的が、『お金を管理すること』と、『お金を使う経験を積むこと』であったため、この金額に設定しました。

(1)の貯金箱からは、近所の駄菓子屋さんでお菓子を買っていました。

(2)の貯金箱からは、妹やいとこの誕生日プレゼントを買うためにすすんで使っていて、見ているこちらも嬉しくなりました。

(3)の貯金箱は、今のところまだ手をつけずに、貯金を続けています。将来特別に欲しいものができた時のために、貯めておくそうです。

とてもシンプルですが、最初から目的別に分けて管理するこの方法は子どもにとってわかりやすく、お勧めです。

将来は「生活費」「税金や社会保険」「貯金」「寄付」など、目的別に上手にお金を管理できるおとなになってほしいものです。
中学生以降は、キャッシュレスでおこづかいを渡すなど、子どもの成長段階に応じた様々な方法を試しながら、子どものマネーセンスを磨いていきたいと思います。