昔、”自分が言ってたことにつながるな”って思ったのは、48グループにいたとき、"今起きてることを、グループ以外の人に話したところで伝わらない"と思っていたんです。だからしゃべれなかったんです。

それは今も同じで。48グループを卒業して、悩むことといえばやっぱり舞台のことで。でも、今何が起きているかを、現場にいる以外の人にしゃべっても、伝わらないと思うんです。(第3回前編)

今では、何かで悩んだとき、「この思いはこの人にはき出そう」とか、プライベートでうまくいかないことがあったら、「この人に聞いてもらおう」とか。自分の周りに、そういう人がちゃんといるようになって。

あと、いつも一緒に海外へ行かせてもらっている、友だちというより、お姉さんがいて。その方が、いろんな視野でものを判断できる方なんです。

そのお姉さんが、芸能のお仕事をしている方の、「ここをもっとがんばろう」とか、「こういうやり方もあるよ」っていう言葉とは、また違った言葉をくれるんです。

例えば、「佐江ちゃんは、芸能の世界にいるからそう思うだけで、一般的に見たらそんなの全然普通だよ」とか。芸能のお仕事をやっている方ではないからこそ、一般的なことを教えてくれるんです。

だから、芸能の世界の考え方や、ものの見方しかないと、これまで思い込んでいた自分を気づかせてもらえたんです。なので、お姉さんと出会って仲良くなってから、ストレスがすごく減って、すごく救われているんです。

親に言うと心配してしまうことも、このお姉さんには何でもはき出させてもらってます。

ーーそれは、卒業後の大きな変化ですね。

そうですね。ひと言日記をあまり書かなくなった理由ですね。話したことで、がっつり同情してくれるわけではないんです。でも、「それは、佐江ちゃんが悪いよ」って、冷たく突き放されるわけでもなく。

「そういう人もいるよね。でも、こういう考えの人もいるからさ。こういう考えもあるってことを頭に入れておくだけで、楽にならない?」って、言ってくれて。話をしていると、すごく心が和む方です。

ーー悩みを誰かに話すというところでは、48グループにいたときの佐江ちゃんと、後輩メンバーとのやりとりについても話してくれたことがありましたよね。佐江ちゃんの考えが、とっても新鮮だったのを覚えています。

 

私は、相談にのってるつもりは全然なくて。後輩にとっては、ただただ、話してる言葉が「相談にのってもらった」っていう感覚になってくれているみたいなんです。

「相談にのってもらった」という言い方にするんじゃなくて、「刺激をもらった」とか、ちょっと言い方を変えるだけで、「箱に入れるものが違う」というか。

自分の中にある、「吸収したものを入れる箱」っていうのかな。「刺激をもらった」っていう引き出しに入れるもの、「相談にのってもらった」っていう引き出しに入れるもの。整理整頓されるな、と思って。

 

(第138回)

うん、言った、言った。覚えてる。

それは今も変わりません。「そうなんだ。マジかぁ? へえーっ!」って、言いながら話を聞いただけなのに、「相談にのってくれてありがとう」って、言われることがあるんです。

自分は相談にのってるなんて、まったく思っていないから「ええ?」って、思っちゃうこともあります。でも、相手がそれですっきりするんだったら、それはそれでいいと思うんです。

ーー佐江ちゃんに話すことで、話した人は、自分の考えを整理できるんでしょうね。

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