「銀河連合日本」(Amazonより)

アマチュアからプロまで、多くの作家が参加している小説投稿サイト「小説家になろう」。そこには「チート系」「俺TUEEE系」や「異世界転生」など、少しばかりの偏りは否めませんが、ウェブならではの自由さから生まれる個性豊かな作品たちが読み切れないほど集まっています。

そんな「小説家になろう」ですが、4月からスタートしたアニメ「Re:ゼロから始める異世界生活」のほか、「ダンジョンに出会いを求めるのは間違ってるだろうか」「この素晴らしき世界に祝福を!」など、多くのアニメ化作品を生み出していることから、次はどんな名作が生まれてくるのかと、多くのアニメファンから注目を浴びています。

しかし、そこにあるのは膨大な量の作品群。試しに読んでみようと思っても、どれから手をつけたらいいものか……。そうして「小説家になろう」というサービスは知っていても、これまで読んだことがないという人も多いことでしょう。

オススメはやっぱりランキングや検索を使って好みにあった作品を探すのが良いのですが、そのとっかかりとして、今回はちょくちょく「なろう」を利用している筆者が独断と偏見で選んだアニメ化まで行ってほしいなと思っているオススメ作品をご紹介します。

地龍のダンジョン奮闘記!

目が覚めると地龍に転生していた主人公。
まあ、成ってしまったものは仕方が無いと地龍生活を謳歌するが、ある時主人公は自分が人間たちにとって極上の素材であることに気付く。
俺はゲームで言うところの素材じゃないんだ!
ヤバい!このままでは人間達に狩られてしまう!
これは地龍に転生した主人公が自分の身と惰眠を守るためにダンジョン製作やらゴーレム作りやら色々頑張る物語である(一般的に見れば過剰防衛と言えます)地龍のダンジョン奮闘記!(あらすじ)

ここ最近のお気に入り、それが本作「地龍のダンジョン奮闘記!」シリーズ。作者はよっしゃあっ!さんで、過去に短編を投稿している以外、初めての長編作となります。

主役である地龍の名は「アース」、最初は名無しの地龍でしたけど、家族(眷属)と深い絆で結ばれて「名付け」が行われるあたりからストーリーが本格的に動きだしていきます。

特徴としては「目が覚めたら龍に生まれ変わっていた」というありがちな転生ネタを起点に、「ダンジョンを作る」というゲーム的なテーマを軸に描かれていること。ダンジョンの定番であるクリーチャーとしての「ボス」を主役にして、アント型モンスターやゴーレム型モンスターなど、個性豊かなキャラクターたちを添えて、コメディ時々シリアスな世界が繰り広げられています。

筆者が気に入っているのはどこまでも軽快な気分で楽しめる読み心地。会話や状況を示す擬音を並べることも多いので、こういうのが苦手だという人には敬遠されそうですが、「人間」が主軸にいない作品が好きな人で、かつ筆者のようにゲーマーな人であれば楽しめるでしょう。

お気に入りのキャラは賢者エリベル。骸骨のくせにシリアスなシーンだろうとお構いなしに「うわようじょかわいいはぁはぁ」と興奮しちゃう賢者はもう賢者じゃないだろうという気がしますが、しかしそれが良いのです。興奮しちゃう賢者はぁはぁ。

更新ペースはだいたい2〜3日に1話といった感じ。今のところ172エピソードが公開されています。

傭兵団の料理番

僕は料理が好きだ。でも、買い物の帰りにどこかの国に迷いこんで傭兵部隊の料理番をすることになりました。
何故こうなったのか分かりませんが、生き残るために美味しい料理を作ることにします。
…………これは、後の世で伝説となった英雄たちの部隊で、彼らを支え続けた偉大な料理人の話。傭兵団の料理番(あらすじ)

「ダンジョン飯」など、ここ最近は「料理」をテーマにした作品がトレンドとなっていますが、本作「傭兵団の料理番」もタイトルの通りに「料理」を作品の軸に据えたもの。異世界に迷い込んでしまった料理好きな少年が傭兵団に拾われるところから物語が始まります。

基本的には主人公が「料理」でさまざまなの難題を解決していくというストーリーが展開していまが、前編は主人公の視点で語られ、後編で他キャラの視点で主人公の行動や活躍がみられるという構成なのが特徴。そういったいろんな視点で1つの物語を描くような作品が好きな人にオススメですね。

定期的にラブコメ要素をぶち込んでくるのも気に入っていて、料理で胃袋を掴まれたヒロインたちがあの手この手で落とそうと奮闘する姿は微笑ましいものです。まぁ、結局は主人公の恋人である「料理」にひれ伏すわけですが。

作者は語利人さん。今作が初投稿の作品となり、これまでに49話が公開されています。更新ペースは不定期となっています。