間違えてもドンマイ、攻める姿勢に拍手が

次のコーナーは「本のイントロクイズ」。本の最初の部分を朗読し、タイトルを当てるクイズです。

<第一問>
いまさら辞典懐古の自叙でもないが、明治時代の下半期に、国語学言語学を修めた私は、現在もひきつづいて恩沢を被りつつある先進諸家の大辞書を利用し……

「舟を編む?」

残念! 正解は『広辞苑』(自序)でした。

※編集部注:国語辞典「広辞苑」の編さんに携わった新村出による序文で、名文として評価が高い。新かな遣いに反対していた新村は、旧かなと新かなで表記が異なる文字を一切使わずに序文を書き上げた。

会場から「そうきたか」「編み終わったほうだった」の声。

<第二問>
荒木公平の人生は――人生というのがおおげさであるならば会社人生は――、辞書に捧げられてきたと言っても過言ではない……

ここでもう、会場から笑いが。正解は『舟を編む』でした。まさか次で出てくるとは。クイズ大会ならではの展開に会場も盛りあがります。

<第三問>
メロスは激怒した……

「走れメロス」 正解! なんだ、この緩急をつけた出題(笑) 良いじゃないか!

焦って間違えた方にも、司会者から「ナイスファイト!」のフォロー、そして会場からも拍手が。なんて温かいのでしょう。

<第四問>
コンビニエンスストアは……

「コンビニ人間」
正解! 村田沙耶香さんの芥川賞受賞作でした。

MC「この本、読まれましたか?」

回答者「いや、読んでないです。(会場が書店なのに……という空気に対して)ごめんなさい、ウソつけなくて……」

MC「正直で素晴らしい! でもこれから読む楽しみがありますからね」とナイスフォロー。