『令和時代を生き抜く子育て術』では、色々な事情で、子育てに時間がかけられない親が、どのように日々子どもと接することで、子どもによい影響を与えることができるかを、様々なテーマでご紹介していきます。

子どもの才能はどうやって見極める?

子どもが生まれながらにもっている才能を開花させ、それを活かすことができれば、子ども自身の幸せに繋がるだけでなく、親にとっても嬉しいことですよね。

さまざまな困難を抱えた子どもたちが通う、日本財団『子ども第三の居場所』プロジェクトを実施している、子どもサポートチームリーダー/人材開発チームリーダーの本山勝寛さんに、子どもの才能の見極め方について伺いました。

「能力」だけが才能ではない!

才能には、運動や音楽、言語や数学など“能力上の強みの特性”と、“性格上の強みの特性”の2つの側面があります。

ハーバード大学のハワード・ガードナー教授が提唱する多重知能理論では、知能には8つの側面があり、「対人的知能」「論理・数学的知能」「博学的知能」「視覚・空間的知能」「内省的知能」「言語・語学知能」「身体・運動感覚知能」「音楽・リズム知能」のうち、人によって強みの特性があるとされています。

また、性格も「親切心」「自律心」「ユーモア」「勇敢さ」「好奇心」「チームワーク」など、人それぞれ持つ強みは異なり、性格上の強みも才能だといえます。

才能と聞くと、能力上の強みの特性ばかり重視してしまいがちですが、性格上の強みの特性も、れっきとした才能です。

子どもの性格上の特性も、ぜひ日頃から目を向けておくとよいでしょう。

才能が伸びる子と伸びない子の差

子どもが自分自身の好きなことや得意なことに気づき、小さな成功体験を積み重ねられるか。

自分の性格上の強みである個性を認識し、自己肯定感を土台に物事に前向きに取り組めるかどうかです。

ここができているかできていないかで、才能の伸びに差が生じてきます。

日本財団が推進する『子ども第三の居場所』でも、勉強は苦手で集中できなかったけど、電子ピアノは何時間でも集中して独習する子がいました。

好きなことを見つけ、それが認められ後押しされたことでその分野の能力が伸び、さらには物事全般への集中力も高まったそうです。

逆に、「どうせ自分はできない」「失敗したら嫌だ」など最初から諦めてしまい、努力したり挑戦したりすること自体を避けると、せっかくの才能も伸びなくなってしまいます。

子どもが何かしら興味をもったら、まずは取り組める環境を親が作る。こういった親の前向きな言動が子どもの才能を伸ばす第一歩になります。