忘れ物をしても「友達や先生に借りればいいや」と思ってしまう子。
忘れ物をしたらどうしようと思い、何度も何度もカバンを確認する神経質な子。
子どもの性格や育った家庭環境により反応は大きく違ってきます。
どちらがよいのでしょうか。
「1人でできる子になる 「テキトー母さん流」 子育てのコツ」の立石美津子がお話しします。
あるママからの相談
筆者は講演会で次のような質問を受けました。
「うちの小学生の息子は『なんとかなるさ』と思っているようで、親が届けなくても一向に忘れ物がなおりません。
友達の物を借りたり、自分用の予備を机の中に置いておき、それを使ったり…一体、どうしたらよいですか?」
筆者は次のように答えました。
「『なんとかなるさ』と考えられるのは、長い人生の中ではとてもいい考え方。借りられる友達がいて、置き傘のように予備を置く工夫も出来ている息子さんの良さを潰さないようにしてほしいです。
忘れ物をしても平気でいられるのも一つの能力かもしれませんね。
少しだけ枠組みを変えてみましょう。これを“リフレーミング”と言います。
また、なんとかならない事態になり、痛い目に遇ったらきっと気を付けるようになるでしょう」
“落ち着きがなく、興味を持ったら席を立ってしまう”
親から見たら困った行動も、長い人生においては“好奇心旺盛で行動力がある”という面でプラスになります。
これと同じで、忘れ物をしても、気にならない性格は本人にとって楽かもしれません。
忘れ物が出来ない子
一方で、絶対に忘れ物をしないキッチリしている子もいます。
その中に「絶対に忘れ物をしてはならない」と自身に完璧を求めすぎている子がいます。それが高じてしまい、確認が止まらない子がいます。
大人でも鍵をかけたかどうか、ガスを止めたかどうかが気になってしまい、家に戻って確認することはあります。でも、家に戻って出かけてもまた気になり戻り、とうとう外出も出来なくなるとなると、もしかしたら“強迫性障害”を患っているのかもしれません。
手を洗っても洗ってもまだ汚れている気がして、手洗いが止まらない不潔恐怖もそれにあたります。
これは心の病ですが、真面目で責任感が強く完璧主義の人が罹りやすいとも言われています。忘れ物の確認に時間がかかり登校できない子はもしかして、この状態に陥っているのかもしれません。