もう間もなく、一年を締めくくる終業式がやってきますね。

子どもから成績表を受け取って、思わぬ結果に愕然とする親は少なくありません。もしショックな結果だけを見て子どもを叱ってしまうのなら、その行動はひとまずストップ!

春休みを使って、家庭学習のしかたを見直してみませんか?

今回から5回にわたってお届けする『令和時代を生き抜く子育て術』では、色々な事情で子育てに時間がかけられない親が、どのように日々子どもと接することで、子どもによい影響を与えることができるかを、様々なテーマでご紹介していきます。

第1回目は、家庭学習のしかたについて。

多忙な親が、これだけはやっておくと子どもが伸びる!という家庭学習のポイントをお話ししてくださるのは、様々な困難を抱えた子どもたちが通う、日本財団子ども第三の居場所プロジェクト・尼崎拠点・福井邦晃さんです。

日本財団子ども第三の居場所とは、放課後、学校以外の学習の中で、自分の意思で学習の見通しを、子どもたちが立てられるよう大人がサポートしている、子どもたちのための居場所です。

子どもが伸びる「家庭学習」とは

家庭学習と聞くと、勉強そのものだと思うでしょう。それは宿題をやることだったり、学力をあげることがいわば目的です。

しかし、子どもが伸びる家庭学習をするなら、あえて家庭学習では勉強すること以外の目的をもたせるほうが、よほど子どもが伸びることに繋がります。

じゃあ、何を目的とすればいいのかというと“子どもが自分の気持ちを知る”ことです。

例えばこんなこと、親にもありませんか?やらなきゃいけないことはあるけれど、気分が乗らなかったり、今はしたくないと思うこと。

こういうことって、学習を課された子どもも同じなんです。

やらなければいけないことは認識しているけど、そんな気分じゃないというのが、宿題をやらなかったり、決まったことをやらないときの正解の気持ちです。

でもここで、大人がやることを強制してしまうと、逃げ場のない正論になります。

ここで何が起きてしまうのか。

「やりたくない」という感情を全否定されることで、こういう感情を抱くのはいけないものだと認識してしまうのです。

こういった何かしら“感情”を否定されるかかわりが続けられると、子どもたちの価値・行動基準が、自然と“大人がどう考えているか”になります。

例えば宿題なら“やると褒められるからやる”“怒られないためにやる”になるのです。

混沌とした今の社会を生き抜くためには、このようなことにならないように、子どもが自分の“感情”を自分でコントロールできるようにサポートしてあげること、つまり一旦子どもが「やりたくない」といったとき「そうだよねー」と受け止める。

親がこれを、真っ先に家庭学習で取り組んでおくことで、子どもが自分で“自分のためにやる”という価値・行動基準をもち“答えのない問い”に挑み続けることができる力強いメンタルを作れると思います。