「Classic Bar ~in Blue Rose」が2年ぶりに開催。「サントリー・ウイスキーアンバサダー」の肩書きを持つ元バレーボール選手の佐々木太一がプレミアム・ブレンデッド・ウイスキー「碧Ao」を語り、フルートの上野星矢(10/29)、バリトンの宮本益光(10/30)がハーフリサイタルを担う。ともにサントリーホール ブルーローズ(小ホール)で午後1時、7時の昼夜2公演だ。
今回のクラシック・バーのテーマはウイスキーであり、佐々木が語る銘柄は「碧Ao」という。ウイスキー好きの上野に音楽との関わり、演奏への展開手法を聞いた。
「“バー”で奏でるフランス音楽、“あお”というウイスキーに想を得てプログラムを構想する場面で注目したのは『碧』がシングルではなく、ブレンデッド・ウイスキーだという部分でした。碧は真っ青というより、割と深く複雑な青が混ざり合ったイメージ。もし、深い青をフランス音楽で表現するとしたら断然ドビュッシー、フルートの鉄板レパートリーです。わずか2‐3分にドビュッシーのエッセンスすべてがつまった《シランクス》を吹きます。よく『印象派の音楽』と言われますが、本人は嫌がっていたし、どちらかといえば象徴主義に近いでしょう。細部まで緻密なパーツをそろえた構成物の内側から独自の響きが立ち上がるドビュッシーと、幻想的なブレンデッド・ウイスキーの味わいにはどこか、共通点があります」
演奏以外のゲストにバレエダンサーの川島麻実子(元東京バレエ団プリンシパル)が加わる。上野の父、陽一はパントマイムをこなす俳優&プロデューサーあり、音楽とのクロスオーバーも手がけてきた。上野もダンスとのコラボレーションに意欲をみせる。
「日本でダンスと一緒に演奏するのは初めてです。フランス時代にはリヨン国立歌劇場でダンサー&振付家のバンジャマン・ミルピエが制作した新作でヴァイオリン、フルートが交互に《サラバンド》の舞曲を演奏し、ダンサーが踊る企画に参加、自分の中で今までのベスト5に入るほど興奮を覚えました。小編成、ダンサーの足音まで聴こえる空間でお互い壊れそうなものを集め、繊細極まりない作品を創造する行為には、巨大な名曲コンサートにない楽しみもあるはずです。今回、『日本でもやってみたい』と願ってきた試みの一端が実現し、嬉しく思います」。
二人は、「The Sixth Sense ~Music in Wonderland~」でも共演する。
★Classic Bar ~in Blue Rose vol.8~
10/29(金) 13:00開演/19:00開演、10/30(土) 13:00開演/19:00開演
会場:サントリーホール ブルーローズ(小ホール)
★The Sixth Sense ~Music in Wonderland~
11/21(日) 14:00開演
会場:サントリーホール 大ホール
取材:池田卓夫=音楽ジャーナリスト@いけたく本舗(R)