昔からタバコは、映画の中の重要な小道具として用いられてきた。ジェームズ・ディーンやマーロン・ブランド、スティーブ・マックィーン、ポール・ニューマンといった銀幕のスターたちの姿に憧れてタバコを吸い始めた方も少なくないだろう。ここではそんな一コマをとらえたこの先公開の注目作や、「かっこいい!」と思わず唸る、名作映画を紹介しよう。
一服するシーンに胸が熱くなる、この先注目の新作を一挙紹介!
まずは注目の新作から。『フライト』はアカデミー賞2部門にノミネートされた人間ドラマだ。アカデミー主演男優賞候補となったデンゼル・ワシントンが演じるのは、飛行機事故の大惨事から多くの乗客を救ったパイロット。重傷を負って入院した彼は非常階段に出て、こっそり一服しようとするが、そこで同じ目的を持つ入院患者たちと鉢合わせして苦笑いしつつ会話を交わす。このようなコミュニケーションは、職場の喫煙所でもよく見られる風景。話が合えば、主人公のように相手と恋が芽生えることもあるかもしれない。
一方、ワシントンとアカデミー賞を競ったホアキン・フェニックス主演の『ザ・マスター』は、ある意味、これとは逆。フェニックスが扮した、第二次大戦時代の心の傷にさいなまれる兵士は信仰さえも救いにならず、イライラをつのらせてはアルコールとタバコに手を伸ばす。彼にとって、タバコは孤独を癒す友人にも似たアイテムなのかもしれない。
これらに比べると1950年代を背景にした犯罪アクション『L.A.ギャング ストーリー』で、『ドライブ』の注目株ライアン・ゴズリングが扮した若い刑事の喫煙はずっとスマート。バーでグラスを傾けながら、タバコをくゆらせる姿は正統派のスモーカー。昔ながらのスクリーンのヒーローといったクールな雰囲気を漂わせており、実に魅力的だ。