5.室内や日陰でもフラッシュいらず!

●手ぶれが起きるのはシャッタースピードが遅いから
室内や日陰など、暗い(=光が少ない)場所で撮影する場合、充分な量の光を取り込むために、シャッターを長いあいだ開けている必要が出てきます。これがいわゆるシャッタースピードというやつです。

シャッタースピードがあまり遅いと、手ぶれが起きてしまう弊害があります(1 / 焦点距離 秒が目安と言われています。200mmのレンズなら、シャッタースピードを1/200秒以上は確保したい、ということです)。また、被写体がちょっと動いただけでも被写体ぶれが起きてしまいます。

そこで、コンパクトデジタルカメラでは、室内や日陰では自動的にフラッシュをたいて光量を確保します。でも、フラッシュをたいてしまうと、色味が「いかにもフラッシュ撮影しました」という感じになってしまって、残念なんですよね。かと言ってフラッシュをたかない設定にしてしまうと、今度はシャッタースピードが足りずに手ぶれしてしまいますし。

レンズ口径が大きいデジイチはシャッタースピードを稼ぎやすい
デジタル一眼レフカメラの多くは、日陰や室内でもフラッシュが不要です。カメラやレンズの種類によっては、イルミネーションでさえ、手ぶれすることなく撮影できます。

ポイントは「レンズの口径の大きさ」です。コンパクトデジタルカメラとデジタル一眼レフカメラを見比べると、なんと言っても違うのは、大きなレンズの存在感です。レンズの口径が大きければ大きいほど、多くの光を取り込めます。つまり、同じ環境でも、コンパクトデジタルカメラに比べて、シャッタースピードを速くできるのです。

高感度撮影でも高性能を発揮
もう一つ、「高感度撮影」という要素があります。カメラを触っていて、ISO400やISO1600という数値を目にした覚えはないでしょうか。ISO感度を高くすれば、小さな光を増幅して映像が作れるようになり、暗い場所でもシャッタースピードを速められます。

ただし、増幅するということは誤差が増えるわけで、画質が低下するデメリットがあります。カメラに搭載されている撮像素子の大きさと、画像エンジンの質によって、画質の劣化具合が決まるのですが、一般的にデジタル一眼レフカメラのほうが高性能なものが搭載されています。

もちろん、作品展に出すような写真や、大きく引き延ばしてポスターにしたいような場合は別なのですが、スナップ写真であれば高感度(室内ならISO400~ISO1600、イルミネーションならISO3200~12800程度)で撮影すれば、充分に実用的な写真が撮影できます。

ISO3200で撮影。夜でも手ぶれせず、きちんとピントが合っている。フラッシュ撮影では難しい、イルミネーションの鮮やかな色味が出ているのがわかる

デジイチを使っていると、どんどん腕が上がる!

いかがでしたでしょうか? デジタル一眼レフカメラを使うもう一つのメリットとしては、どんどん写真の仕組みを理解して上達できる、という点があげられると思います。

なにしろコンパクトデジタルカメラでは、子供でさえシャッターを押せばそれなりの写真が写せるようにできています。仕組みなんか知らなくても充分に扱えるわけで、写真に詳しくなるきっかけすらありません。しかしデジイチであれば、仕組みを知れば知っただけ、いい写真が撮影できるようになるので、学び甲斐があるんですよね。

もちろん、基本性能が高いので、仕組みを知らなくてもいい写真が撮影できるのは、説明してきたとおりです。コンデジに比べれば大きい機体を持ち歩けるのであれば、デジイチを使わない手はないと思います。迷っている方は、ぜひ一歩を踏み出してみてください。