もうすぐクリスマスですね。
この季節に親子で読むと、いっそうこの季節を楽しめるクリスマスの絵本を5冊ご紹介します。
クリスマスが日本に定着して久しいですが、日本人は信仰心がないのにクリスマスを祝うのはおかしい、という意見もあります。
ですが、たとえ信仰心がなくても、イルミネーションやろうそくの光をじっとみていると、不思議と心が落ち着き、やすらぎをおぼえるものです。
健康でいられること、家族仲良く暮らせること。
どれひとつをとっても、当たり前のことなどないと思えると、なぜか大きなものに感謝する気持ちが生まれてきますよね。
一年の終わりに、そんな気持ちになれるクリスマス、いいものだと思います。
今回ご紹介する5冊は、どれも派手さはありませんが、クリスマス本来の意味に立ち返り、純粋にクリスマスをお祝いしたくなるものばかりです。
ゆうびんやのくまさん
まずご紹介するのは、フィービとセルビ・ウォージントン作・絵の『ゆうびんやのくまさん』。くまさんがいろんな仕事をするシリーズの郵便屋さん版です。
このシリーズの魅力は絵がほんとうにステキなところ。
表紙は雪のなか、自転車に乗って配達に向かうくまさんが描かれています。バックに赤い実をつけたひいらぎの木。
郵便物を集配するくまさんの後ろをダブルデッカー(二階建てバス)が走り去ります。小雪舞うイギリスのクリスマスの頃の街並みって、こんな感じなのでしょうか。
ほかにも、配達先の奥さんがクリスマス・パイとジンジャーエールを出してくれるのですが、彼女のワンピースの柄が素敵だったり。
などなど、大人女子のママでも楽しめる見どころがたくさんあります。
ストーリーは、特に事件が起こるわけではありません。ひとり暮らしのくまさんが、クリスマスの前日に淡々と仕事をし、一日の終わりにくつろぎ、ベッドに入るまでの様子を描いてあるだけなのですが、不思議と子どもはこの絵本が大好きです。
読み聞かせしてあげるなら3歳からどうぞ。
細かく描いてある細部まで楽しめるし、小さな絵本なので、インテリアとして飾るのもおすすめです。
ぐりとぐらのおきゃくさま
二冊目にご紹介するのは、『ぐりとぐらのおきゃくさま』。
日本の絵本界を代表する中川李枝子・山脇百合子(お二人は姉妹です)のゴールデンコンビによる「ぐりとぐら」シリーズのクリスマスのお話。
正確にはクリスマス・イブですが、クリスマスって、当日よりも前の日の方が、ずっと気分が盛り上がりますよね。そこになぞ解きの要素が加わればなおのこと。
雪深い森のなか、大きな足跡を追いかけていくと・・・お客様はだれ・・・? という謎めいた展開に子どもはドキドキ。最後はわあっというラストが待っています。
このシリーズは食べ物がおいしそうなことでも定評がありますが(『ぐりとぐら』)、この絵本も期待を裏切りません。
また、言うまでもないことですが、雪の森に映えるぐりとぐらの色違いの服もかわいい!
どっちが赤でどっちが青か、わかりますか?
読んであげるなら3歳から。