財形貯蓄が会社にあるなら始めてみよう
「財形やっておけよ。結婚するときに結婚資金が貯まってて助かるぞ」とか「財形に毎月の給与の1割くらいいれておけ。家を買う頃には頭金ぐらい貯まってるから」というアドバイス、確かにパワハラっぽいといえばパワハラっぽいですが、親切で言ってくれているといえば親切心からのアドバイスでもあります。しかし、2010年代には誰も言わなくなりました。
ここで名前のあがった「財形貯蓄制度」というのが、会社が銀行等と連携して行っている自動的にお金を引き落として積立を行う制度のことです。
「一般財形(使途を問わない)」
「住宅財形(住宅購入費用に使うなら利息非課税)」
「年金財形(老後に年金受け取りするなら利息非課税)」の3つがあります。
財形貯蓄の特徴は、会社で手続きをしておくと、自動的に給与から「先取り」して貯金してくれることです。最初に述べたように「後で貯める」という発想ではなく「先に貯める」ことがお金を貯める王道で、まさにそれを実現するのが財形というわけです。全国で924万件の利用があります(2012年3月末)。
しかしこの財形制度、多くの会社が実施しているのに利用は減少傾向にあります。理由のひとつは「教えてもらえない」「会社がやっていることを知らなかった」から。とてももったいない話です。
社内制度のパンフレットやイントラネットのガイドページがあればチェックしてみてください。人事総務部に知り合いがいれば聞いてみるのもいいでしょう。
財形は取り崩しが必要になったとき解約もできますので、難しく考える必要はありません。まずは手取りの10%くらいを積み立ててみてはどうでしょうか(税制メリットがある住宅財形や年金財形の場合、目的外の解約では非課税分にペナルティが科せられる)。会社によっては少し奨励金を追加してくれるケースもありますよ。
財形がない場合は、銀行で積立預金を
ところで、「うちの会社には財形がないよ」という人でも自動的に積立をすることはできます。銀行の「積立定期預金」がそれで、給料振り込み日の翌日や翌々日に指定金額を普通預金から引き、定期預金として積み立ててくれます。通帳の中で違うページにお金を移す感覚です。
こちらは銀行窓口が開いている時間に店頭で手続きをするのが基本です。ネットバンキングを契約している人は自宅で申込みができることもあります。しかし最初の手続きだけすれば後は自動的に積立をしてくれます。
こちらも「給料日前日の残額を貯めよう」より確実にお金が貯まります。基本的に手数料は無料、解約も可能なので心配はありません。まずは無理のない金額からスタートしてみるといいでしょう。
財形や積立定期預金をスタートして何年かすると、「気がつけばけっこう貯まっていたな」となると思います。今まで貯まらずに苦労していたのがなんだったのだろう、と思うくらいです。これこそまさに、「自動的にお金が貯まる」です。
ぜひチェックして、「貯められる自分」を見つけてみてください。