ソウルの今を伝えるコラムの6回目は、店先で季節の魚が煙を上げて焼かれ、食いしん坊の素通りを困難にさせる東大門市場の焼き魚横丁を紹介しよう。
煙と香り。韓国人も日本人も素通りできない焼き魚パワー
店先で炭火焼きされる豊満なサバ
洋服の生地やボタンなどを扱う東大門総合市場の建物の西側、鍾路大通りと清渓川を結ぶ通りは、商品を載せたクルマやオートバイが出たり入ったりしていつも騒々しい。
コロナ以降は宅配ビジネスが盛況なこともあり、いっそう賑やかだ。
この通りの中央から西方向にのびる路地には大小の食堂が並んでいて、市場で働く人や買物に来た人の胃袋を満たすグルメ横丁として知られている。
お昼どきには定食数人前を盛った大きなお盆を頭に載せて歩くおばちゃんが行ったり来たりする。
客の注文を待つ焼きあがった魚たち
横丁に入る前にすでに香ばしい匂いが漂っているので、すぐにおなかが鳴ってしまう。我々韓国人と共通する食文化をもつ日本の人なら、それが魚を焼く匂いだとすぐ気づくだろう。
路地に入ると左手に焼き魚の店が7、8軒並んでいるのだが、これらの店が罪作りなのは、いずれも店先で煙を上げながら魚を炭火で焼いていることだ。
揚げ焼きされた太刀魚
主役はサバ(コドゥンオ)、サワラ(サムチ)、太刀魚(カルチ)、ホッケ(イミョンス)、イシモチ(チョギ)、サンマ(コンチ)など。
塩焼きがメインなので、日本の人でも抵抗なく食べられるだろう。たいていごはんとセットになっていて、キムチやナムル、汁物もセットになっているので、栄養バランスも申し分ない。
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