ソウルの変化を伝えるコラムの5回目は、多くの日本人リピーターが懐かしがっている仁寺洞(インサドン)の後編。この街のイメージを変えるスポットや、あの大ヒット映画のキャストやスタッフが打ち上げを行なったマッコリ酒場などを紹介しよう。
サムジキル、仁寺洞マルに続く第3のショッピングモール
ひとつ目の動画を見てほしい。
仁寺洞の北端(安国駅6番出入口近く)からメインストリートを南下している映像だ。右手の2階建ての長屋のような建物にブティックや伝統工芸品展が入っている様子は昔とそう変わらないが、そのすぐ後ろに大きな建物が見えている。木造の東屋が見えたところが入口だ。
これは2019年の10月にオープンしたショッピングモール「アンニョン仁寺洞」。コロナで海外渡航ができなくなる数か月前の開業なので、ギリギリ行ったことのある人もいるかもしれない。
1階から4階には工芸品店、ブティック、雑貨店、カフェ、レストランなどが入っている。地下1階は「仁寺セントラルミュージアム」という展示場になっていて、絵画やデジタルアートなどの展示が行われている。
5階から上はホテル「ナインツリープレミアム」が入っている。筆者が仁寺洞をよく取材していたのはまだ書画骨董街の雰囲気が色濃く残る2000年頃のこと。
当時は1泊40000ウォン程度の安宿しかなかったので、「この街に中級クラスのホテルができれば日本の旅行者が喜ぶのに」などと思っていたが、今ではオラカイ仁寺洞スイーツ、呉竹荘、アベンツリー、センターマークなど多くのホテルが誕生している。
10年くらい前は、ソウルを横断する漢江南側の江南(カンナム)エリアがクローズアップされていたが、ここ数年はニュートロ(レトロモダン)ブームが起きて北側の旧市街が脚光を浴びている。
仁寺洞の北方向には北村や西村、東方向には鍾路3街や乙支路3街~4街などのニュートロなエリアが広がっているので、仁寺洞に宿を取るのは賢明である。