ソン・ガンホやポン・ジュノ監督がマッコリを飲んだ店

 

2つ目の動画は安国駅6番を出てすぐ左手の路地に入り、すれちがい不可の細い道を抜けたところにある飲み屋街だ。

10年くらい前は、発酵臭と揮発性の刺激が強烈なエイ料理でマッコリを飲ませる渋い店が集まっていたが、ここ数年はそれらが個性的で若者にも受けそうなマッコリバーに変わっている。

右手の「どぶろく」の文字が見える店「プルンピョル酒幕」は、この酒場通りのなかでは古株だ。伝統家屋を改築した店内では明太子などをつまみながらやかんに入ったマッコリを飲むことができる。

通りを少し歩くと、立ち話をしているおじさん二人がいる。彼らの右手の店が「遊牧民 NOMAD」というバー。入口のポスターを見ればなんとなくわかるが、演劇関係者が集まる店だ。

ここはポン・ジュノ監督作品『パラサイト 半地下の家族』(米国アカデミー作品賞受賞)のソン・ガンホをはじめとする役者やスタッフが打ち上げを行なったところである。

筆者はコロナの前まで日本からの旅行者の飲み歩きに同行するパーソナルツアー「ソウル大衆酒場巡り」を主宰していたので、渡航解禁の暁にはぜひこの通りを案内したいと思っている。

フォトギャラリー庶民的な雰囲気とウマさ!「東大門焼き魚横丁」の写真をさらに見る
  • 太刀魚の揚げ焼きがあったらマッコリは1本では終わらない
  • 焼き魚は定食スタイルで供される
  • 手前がホッケ、奥がサバ。ごはんが進むこと
  • 揚げ焼きされた太刀魚
  • 客の注文を待つ焼きあがった魚たち

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鄭銀淑:ソウル在住の紀行作家&取材コーディネーター。味と情が両立している食堂や酒場を求め、韓国全土を歩いている。日本からの旅行者の飲み歩きに同行する「ソウル大衆酒場めぐり」を主宰。著書に『美味しい韓国 ほろ酔い紀行』『釜山の人情食堂』『韓国酒場紀行』『マッコルリの旅』など。株式会社キーワード所属。