幼稚園の発表会で、わが子が主役に選ばれたら嬉しいですよね。
でも、クラスのみんなが主役になれる訳ではありません。木の役、鳥の役などの脇役になってしまったら、「残念だ」と思うだけですか?それとも園にクレームを言いますか?
「うちの子が世界一可愛い!」と思うのは、親なら自然の感情。でも、それが嵩じて「どうして、うちの子が主役に選ばれないんですか?」とクレームを言う保護者も実際にいるようです。
こうした“主役問題”にまつわるエピソードや、困ってしまった園側がとった苦肉の策などを『「テキトー母さん」流子育てのコツ』の著者の立石美津子がお話しします。
発表会の主役問題。園の配慮は…
ある幼稚園の学芸会は、白雪姫の劇でした。主役の白雪姫がゾロゾロいます。小人役もゾロゾロいます。悪役の魔女役はというと…担任の先生が演じていました。
また、最近は一つの劇を時間で区切り、主役を途中途中で違う子に交代する工夫をしている園もあるそうです。
ですが、みんなが主役では劇は成り立ちません。多くの脇役がいてこそ1つの劇が完成します。保護者の気持ちを慮って、園側が様々な対応をすることも時には必要ですが、過度な配慮はどうなのでしょうか?
“適材適所”でうまく回る
大人でも人前に立つのが苦手な人がいたり、反対に司会をしたり、堂々とプレゼンをするのが得意な人がいます。
コツコツと定型作業をミスなくこなす事務職向き、気働きが必要になる秘書職向き、営業向き、プレゼン向き、広報向きと、様々ある仕事の中で、適材適所でそれぞれが働くことで会社全体がうまく回ります。
劇の配役を決めるとき、「引っ込み思案な子だから、主役をやらせて自信をつけさせる」という考えもあります。
反対にその子の特徴を生かして、じっとしていられない子は鳥や蝶の役をやらせて、舞台で走り回って違和感をなくしたり、じっとしていられる子を岩や木の配役にしている園もあります。