情けない彼氏の姿

あるとき、彼の部屋で過ごしていたら女性もののハンドタオルが洗濯ものにあるのを見つけ、それが浮気の決定打になりました。

彼氏はようやく観念したのか

『向こうから言い寄られて浮気してしまった。

本当にごめん』

と謝ったけど、今までずっと嘘をついていたことがどうしても許せず、『しばらく距離を置こう』と言って会社でも口をきかなくなり。

その間、その女性と彼がどんどん仲良くなっていくのは同僚から聞いていて、好きにすればいいと思っていました。

ある夜、彼から『どうしても会いたい』と言われ、電話でならと話を聞いたら

『やっぱりお前が一番好きだし、別れたくない』

と涙声で言われて。

『○○さんがいるじゃない』

と皮肉で返したら、

『あの人はただの遊び。

俺にはお前しかいないから』

と、文字通り懇願する勢いでよりを戻すことをお願いされて、そこまで言うならもう一度信じてみようかなという気になりました。

見たことがないくらい情けない彼氏の姿に、少しの優越感が芽生えたのを覚えています。

例の女性は、彼について『性格が合わない』と話していたらしく、付き合うまではいかなかったようです。

私に距離を置かれて浮気相手の女性ともうまくいかずで、一人ぼっちになるのが嫌だった彼氏は私にすがりついてきたのだと思います。