「奥さんに申し訳ないとは思いながら、会社でいつも優しく接してくれる同僚と不倫していました。

彼は『バレないから大丈夫だよ』と言うけど、そんなのわからないじゃないですか? うまく隠せているかどうかなんて確信は持てないし、私だったら夫に別の女性の影が見えたら必ず突き止めるし、いつも怯えていたと思います。

それでも、やっぱり『顔が見えない』ことで奥さんの存在はどこか遠く、話題にしなければ彼ともラブラブで過ごせることに流されていました。

不倫をやめようと決めたのは、ふたりで県外への出張に行ったとき。

『泊まりだし、ラッキーだね』と彼とは話し、持っていく着替えには私がプレゼントしたハンカチやネクタイを入れると言われてうれしかったのを覚えています。

ところが、いざホテルに着いてスーツケースを開けたとき、彼が『あっ』と声をあげて。

どうしたのかと思ったら、彼が自分で入れたはずのハンカチなどが別のものと入れ替えられていました。

彼が『自分で買った』と奥さんに伝えていたはずの私からのプレゼントだけ、抜かれていたのですよね……。

『何で触ったんだって聞いたら、あやしまれるよね?』と彼はかなり動揺していて、『私だったら牽制する意味で本当に夫が買ったのかどうか不審なものは入れ替えておくかも』と考え、おそらく別の女性がいることに気づいているかもな、と思いました。

たぶん、この出張そのものもあやしんでいるのではと。

うろたえる彼を見ていると何だか情けなくなり、こんなことをされてまで不倫を続ける意味なんてあるのか、と初めてうんざりしましたね……。

結局これがきっかけで彼も私とは離れたがり、そのまま別れました」(38歳/営業)

それを贈ったのが誰かまではバレていないとしても、夫が外部から持ち込んだものをすべて排除して別のものと入れ替える姿には執念のような息苦しさを感じます。

夫を信用していないからこんな行動に出るわけで、もし不倫相手が一緒でなくても「あやしんでいる」と夫に伝えることはできますよね。

こんな状況を目の当たりにすれば、気持ちが萎えるのも当たり前といえます。

不倫は、している側がどこまでも負い目を感じるもの。こんなことがあってもどうにもできないのが現実です。