「別の部署の上司と不倫していたときのことです。
『妻は寝ていて弁当も作らない』と上司が言うので、じゃあ私が用意してあげると手作りのものをこっそり渡していました。
お弁当箱は会社で洗ってまた私に返してくれるので、『家に持ち帰らなければ奥さんにはバレないだろう』と思っていたのですが……。
ある朝、7時に彼からLINEが来て何事かと思ったら
『妻が急に弁当を作りはじめた。どうしたんだって聞いたら“ほかの人の手を煩わせるのは申し訳ないから”って、俺が君の作ったものを食べているってどうやって知ったのだろう』
と、焦りが伝わるメッセージで、読んだ瞬間私の背筋もさっと寒くなりました。
会社の誰かが奥さんに言わないとわからないわけで、彼は『なるべく人に見られないように外に持っていって食べていた』と言うけど、誰かが見れば明らかに女性が作っているのはわかるような中身だし、“誰がどうやって奥さんに伝えたのだろう”と考えるとパニックでしたね……。
その日から毎日奥さんがお弁当を用意して、彼はデスクで食べるようになったけど、この変化もまた誰かにチェックされているのかもしれません。
作ったのが私、まで知られているのかどうかわからないのも怖いです。私より立場が上の彼のほうがすっかりビビってしまい、これ以降疎遠になってフェードアウトしました」(32歳/金融)
社内の誰かが伝えない限り知られるはずのない「事実」。
誰が、どんなふうに奥さんに話していたのかわからないことが、ふたりにとってはこの上もない恐怖です。
妻は「誰か別の女性が作ったお弁当を夫が食べている」とわかり、すぐ行動に出るのもまた強い牽制と感じます。
誰が“タレコミ”をしたのかわからない状態は、別れた後も周囲の目を気にしながら過ごすことになります。