フロリダ ウォルト・ディズニー・ワールド・リゾート(WDW)50周年を記念してスタートした、ナイトタイム・スペクタキュラー「ハーモニアス」。
2021年10月よりEPCOTで公演されている本ショーは、とにかく音楽が素晴らしく、個人的には歴代ショーパレミュージックNo.1!
新たな解釈とアレンジで堪能できるディズニーミュージックの数々、サウンドの端々に巧みに織り込まれた多様性、壮大なスケールで実施されたレコーディング背景など、「ハーモニアス」の魅力を、音楽面から徹底解説します!
美しく秀逸に重なり合うハーモニー
美しい女性ヴォーカルで幕を開ける、ハーモニアス。
『モアナと伝説の海』の「タガロア神への祈り」が聞こえて来たと思ったら、『リトル・マーメイド』より、アリエルの歌声が重なって来ます。
同じ監督の2作品をぶつけつつ見事に調和させている手法に、開始20秒で舌を巻きました。
さらに聞こえて来るのは『アナと雪の女王』より「ヴェリィ」、間髪入れずに『ライオン・キング』の「サークル・オブ・ライフ」。
よく耳を澄ますと聞こえて来る、鐘の音とハーモニーは『ノートルダムの鐘』だ…!
全てのハーモニーが混ざり合い、美しく溶け合いながら、次のパートへと進んで行きます。
もう、この時点でひっくり返りそうになりました。
時代も国も舞台もバラバラな5作品を、ハーモニーだけでまとめる技術の高さ。
コーラスパートだけ抜き出した選曲センスと、アレンジ力をまざまざと見せつけられ、「これは、とんでもない事が起こるぞ…」と、震えが止まりません。
ハーモニーだけでこんなにも引き込まれる、ディズニー楽曲のメロディーメイクの強さに、冒頭から頭を殴られたような衝撃。
「"ハーモニアス"とは何か」を、2分にも満たないド頭のパートで、バッチリ叩き込まれた感じ!
そして個人的には、今やディズニーの代表作となった『アナと雪の女王』の使用曲が「ヴェリィ」のみと言う潔さにも、思わず唸ってしまいました。はーこりゃすごいわ。
出し惜しみなし! クライマックスのようなオープニング
美しいハーモニーの後は、多国語で歌われる『モアナと伝説の海』の「どこまでも~How Far I’ll Go~」が続きます。
ただ言語を変えて歌い繋ぐだけでなく、それぞれのパートでそれぞれの国の民族楽器を使い、微妙にアレンジが違っているので、細かなところまで是非聞いて欲しい。
あーやっぱりこの曲いいよなぁ…と聞き惚れていたら、なんと『ヘラクレス』の「ゴー・ザ・ディスタンス」に切り替わり、再生していたスマホを危うく落っことしそうになりました。
壮大なアレンジで、大好きな2曲が美しく混ざり合い、まるでクライマックスのような盛り上がりを見せます。
「モアナとヘラクレス混ぜてみよっか!」と、最初に提案した人に、賞賛の拍手を送りたい。
何そのセンス…!と、実行できてしまうアレンジ力。凄すぎる!!
最後の最後で『ノートルダムの鐘』のメロディーをスパイスのように効かせ、盛り上がりは最高潮へ。
これでショーがもう終わっても、誰も文句を言わないんじゃないかと思います。
火薬量もそうだし、オープニングからこんなクライマックス感出しちゃって大丈夫?と思いましたが、すぐに杞憂である事が分かりました。