(左から)山谷花純、草笛光子、佐藤二朗、成田瑛基

 「大河ドラマ『鎌倉殿の13人』プレミアムトークin埼玉~比企一族スペシャル~」が、8月7日、埼玉県の東松山市民文化センターで開催された。北条家のライバルで、この地に縁のある、比企一族の当主・比企能員を演じる佐藤二朗が、比企尼役の草笛光子、比企時員役の成田瑛基、せつ役の山谷花純と共に登壇し、ドラマの撮影秘話を披露した。

 佐藤はこれが3度目の大河ドラマ出演だが、三谷幸喜が脚本を手掛ける大河は初めて。その感想については、「三谷さんの本(脚本)はやっぱり面白いし、どのせりふもいい」と満足している様子。

 その上で、「僕個人が思う、いい脚本の一つの指標」として挙げたのが、「『うわ、このせりふ、俺が言いたい。ほかの俳優に渡したくない!』って思えるセリフがあるかどうか」という点だった。

 そして、「三谷さんの脚本にはそういうせりふが多い」と続けた佐藤は、お気に入りのせりふについて、次のように語った。

 「今回、僕が一番『うわ~!!』って思ったのは、『表に出ろと言われて、表に出てよかったためしはない』(第28回)ですね。『名言やん!』って思って(笑)。確かに表に出ろって言われて表に出たら絶対いいことないですよね」

 続いて、演じる能員の魅力について言及した。「ちょっと地元の方には怒られちゃうけど…」と前置きした上で、まず口にしたのは、「僕が思う比企能員というのは、坂東彌十郎さん演じるライバルの北条時政と比べると、器が小さい人なのかもしれない」という弱気な言葉。

 それでも、「能員は自分の器の小ささとか、そういうことをちゃんと自分で引き受けた上で行動しているんだと思います。これは大変なことですよね」と演者ならではの視点で評価した。

 さらに、「自分の至らないところを自分で認めるというのは勇気が要ることだと思うんだけど、能員はそれを飲み込んだ上で、でも時政に勝ちたいと思って、いろいろ政略結婚などをしかけていく」と分析。

 最後は「自分の欠点を認めているっていう、どこかチャーミングな人だと思って演じました」と結論付けた。

 また、歴史番組「歴史探偵」のMCも務める佐藤は、その経験を踏まえて、「比企一族は歴史的な敗者で、あまり教科書に載っているような人たちではない」と語る。

 その一方、「歴史であまり描かれてない、フィーチャーされない暗部とか、そういう影の部分を輝かせることができるのは俳優の醍醐味(だいごみ)の一つ」と能員を演じる面白さを語った。

 最後は「第30回~31回で、比企家に本当にいろんなことが起きます」と予告。

 続けて、「比企一族というのはとても品があったのではないかと思います。こんな血みどろの、生き馬の目を抜くような鎌倉時代にあって、確かに、本質的に比企には品格があったんだと思えてよかったです」とあいさつ。

 「地元の皆さんともこうやって初めてお会いできてよかったです。引き続き大河ドラマをご覧ください。ありがとうございました」と締めくくった。

(取材・文/井上健一)