子どもが生まれるまでは公平だった家事分担のバランスが崩れたり、産後にホルモンの影響で不安定になる妻を夫が支えきれなかったりと、さまざまな要因は考えられますが、日常はまったなし。

できることなら、家族で過ごせる幸せを感じ、毎日笑って過ごしたいのに、芽生えてしまう夫への憎悪。

子どもが生まれても夫を憎まずにすむ方法』(ジャンシー・ダン著/太田出版)

昨年、こんな本が出版されました。タイトルに衝撃を受けつつも、激しく共感する女性は多いのではないでしょうか。

子どもが生まれて夫婦仲が悪くなることは日本に限らないようです。この本の著者はアメリカ人ですが、本のなかに出てくるエピソードは私たちにも身に覚えがあることばかりです。

・おしっこのオムツ替えはできても、うんちになると妻にバトンタッチをする夫。
・スマホを片手に子どもの相手をする夫。
・頼んだことをすぐ忘れる夫。

女性が、自分さえガマンすれば、という解決法はいちばん避けたいものです。

本書では、6歳の娘を持つ夫婦が、争いの日々にピリオドを打つべく、ありとあらゆる手段を使って奔走する姿が描かれています。

子どもの前での夫婦喧嘩が及ぼす「3大悪影響」

夫への不満がつのると、自然と、夫婦のあいだで交わされる会話はとげとげしくなることも増えます。子どもの前でケンカしてしまうことも、時にはあるでしょう。

日本の狭い住宅事情では、子どものいないところでケンカをするには限界もありますよね。

ですが、子どもの前で夫婦ゲンカをすることは、私たちが考える以上に子どもに悪い影響があることをご存じでしょうか。

本書によると、6か月の赤ちゃんでさえ、怒っている声や激しいやり取りに対してネガティブな反応を示すとあります。

さらに、不幸な結婚生活を送る夫婦のもとで育てられた赤ちゃんは、発達過程で多くの問題を抱えることが明らかになっているというのです。

具体的にどんな弊害が考えられるのでしょうか。解説します。

1.子どもの混乱を招く

夫婦ゲンカをすると、つい陰で愚痴りたくなってしまいますよね。

そんな時、子どもに向かって「お父さん(パパ)みたいになっちゃダメよ」は厳禁です。

子どもにとっては、父親も母親も大好きな存在で、二人があって初めて自分が存在するのに、その半分を、もう半分である母親が否定することは、自分の半分を否定されているに等しいことですからね。

愚痴るなら、子どものいないところでにしましょう。

また、夫婦ゲンカの声や雰囲気を感じ、ストレスを抱えながら眠りについた子どもは、両親の顔色をうかがいながら翌朝を迎えます。なのに両親がまるで昨夜のことなどなかったかのようにふるまったら、子どもは混乱を覚えるでしょう。

お互いを罵り合うようなケンカをしてしまったら、すぐには難しくても、喧嘩後の仲直りまでちゃんと見せることが大事です。