「イクメン」という言葉が一般的に使われるようになって久しいですが、まだまだ育児に積極的ではないパパに不満を感じるママは多いようです。

ママとしては「なぜうちの夫は育児に無関心?」「よそのパパはあんなに育児熱心なのに…」と、がっかりしてしまうのではないでしょうか。

そこで、今回は「イクメンにならないパパの理由」として、心理カウンセラーの福田由佳さんにお話を聞きました。

そもそもイクメンの定義とは?

――「イクメン」ってどういったパパのことを指すのですか。

福田さん「私の考えるイクメンは、ママの育児に対するプレッシャーを理解し、分かち合うことができるパパであると考えています。

実は昨今、イクメンという言葉に嫌悪感を持つママが増えています。

「そもそも育児は夫婦で行うこと」として考えられているため、「パパばかりが褒められるなんて」「機嫌が良いときに子供の相手をするだけなのにイクメン気取り」など、実は多くのママが不満を感じているのです。

とはいってもママの多くは、パパよりも子供と過ごす時間が長くなるため、必然的に育児のほとんどを担うのはママです。そして、パパにも手伝ってほしい、と考えつつも「育児は母親がするもの」「育児の責任は母親にある」など、周囲からのプレッシャーや圧力を感じています。

ママが本当に求めているのは、そうしたプレッシャーを理解し、向き合って、寄り添ってくれるというパパの気持ちです。

そのため、「イクメンとはママの育児に対するプレッシャーを理解し、分かち合うことができるパパ」として、私は考えています」

育児をすればイクメン、というわけではないようです。気持ちを理解してほしい、大変さや辛さを分かってほしいというママに寄り添えるパパがイクメンであると福田さんはいいます。

こうして、ママに寄り添えることができれば、必然的に自然と育児のサポートをしますし、確かにママの気持ちを理解してくれるパパというのは真のイクメンといえるのかもしれません。

イクメンにならない理由

――イクメンにならない理由ってありますか。

福田さん「理由は様々ありますが、比較的多いケースとしては「ママの性格」が挙げられます。

周りからのプレッシャーを感じやすい真面目で頑張り屋さんのママほど「いい母親でいなければ」という気持ちがとても強いです。

でも一生懸命子育てをすればするほど、パパは手出しができなく場合があります。「俺が手伝っても邪魔になるだけかな...」と感じてしまう事があるようです。

実際、いざパパが子育てに参加すると、未熟な母親になったような錯覚を持ってしまって不安に陥ったり、今までどんな思いで子育てのプレッシャーと戦ってきたのかを知ってほしいという気持ちから怒りが湧いて、つい「子育てはそんなに簡単なものじゃない!」「そんなやり方じゃダメ!」というような事を、強く言ってしまう。

そうなると余計にパパは手出しできなくなってしまいます。

中には逆に、ママが一生懸命子育てに向き合えば向き合うほど張り合うように子育ての持論を押し付けてくるパパもいます。

そうなるとママだけではなく、子供も両親の教育方針の違いに戸惑い、余計な問題を増やすばかりの「偽イクメンパパ」が誕生してしまう なんて場合もあるようです」

完璧主義なママや、プレッシャーを感じているママにとって、パパの中途半端なサポートに嫌気が差してしまうのだそう。そうして、「育児は手伝いにくい」とパパに感じさせてしまうことにつながり、結果的に「イクメンになれないパパ」が誕生してしまうようです。